
犬の体に“膿が出ているしこり”を見つけたら、「無菌性結節性皮下脂肪織炎(むきんせいけっせつせいひかしぼうしきえん)」という疾患の可能性があります。
今回は犬の「無菌性結節性皮下脂肪織炎」についてお話します。
犬の「無菌性結節性皮下脂肪織炎」とは
「無菌性結節性皮下脂肪織炎」は皮下脂肪組織の炎症性疾患の一つです。
皮下脂肪織炎の原因には傷口感染(細菌やカビ)、注射部位の炎症、虫刺され、
腫瘍などが挙げられますが、いずれの原因にも当てはまらない場合を
「無菌性結節性皮下脂肪織炎」といいます。
皮下脂肪にしこりのような炎症が見られることが特徴で、
一か所にできることもあれば数か所にできることもあります。
免疫介在性の疾患と考えられていますが発症原因は不明です。
好発犬種はミニチュアダックスフンドですが、
トイプードル、シュナウザー、チワワなどでの発症報告も増えています。
犬の「無菌性結節性皮下脂肪織炎」の症状
皮下で炎症が起き、一か所または複数個所にしこりができます。
炎症は徐々に大きくなっていき、破裂して膿や滲出液(しんしゅつえき)が出ます。
その他の症状として、発熱や痛みを伴うこともあります。
好発部位は首、肩、腰、足の付け根などです。
犬の「無菌性結節性皮下脂肪織炎」の治療方法
無菌性結節性皮下脂肪織炎の治療には一般的に
ステロイドや免疫抑制剤などが使用されます。
原因が菌やウイルスだった場合にステロイドを使用すると、
抵抗力が低下して症状が悪化する可能性があります。
そのため、無菌性結節性皮下脂肪織炎はしっかりと検査を行い、
無菌であることが確定してから治療します。
再発したり複数個所に発症する場合は、生涯にわたり薬を飲み続けることもあります。
発症原因は不明ですが免疫介在性の疾患と考えられているため、
免疫力を補うために漢方薬やサプリメントなどを併用することもあります。
まとめ
犬の体にしこりができ、破裂して膿や滲出液が出る場合は
無菌性結節性皮下脂肪織炎の可能性があります。
無菌性結節性皮下脂肪織炎はしっかりと検査を行い、
発症の原因が“菌”ではないことが確定してから治療します。
気になるしこりが出来たら早めに獣医さんに相談するようにしましょう。
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