華やかな狩猟犬!「イングリッシュセッター」について

イングリッシュセッターはセッターの中で特に人気のある犬種で、世界最初のドッグショーに出陳されました。

今回はイングリッシュセッターについてお話しします。

「イングリッシュセッター」について

イングリッシュセッターはイギリス(イングランド)原産の大型犬です。

名前の由来は原産国+狩りの際に取るセッティングポーズから来ています。

イングリッシュセッターの祖先犬は15世紀頃に
スペインからイギリスに持ち込まれたスパニエルと考えられています。

獲物を追いかけたり、追い込んだりする鳥猟犬として
古くから活躍していたスパニエルですが、このスパニエルの中で
獲物の場所を伏せること(セッティング)で教えようとする犬が現れ、
”セッティングスパニエル”と呼ばれるようになりました。

17世紀以降、セッティングスパニエルにスパニッシュポインターや
大型のウォータースパニエルなどを交配し、
「セッター」の基盤が出来ていったと言われます。

19世紀になるとセッターの改良がさらに進み、
セッターの熱心な愛好家ラヴェラック氏によって美しい
「ラヴェラックセッター」が作出され、
さらにルーエリン氏がラヴェラックセッターから
狩猟能力の高いセッターを作出するようになります。

ラヴェラック系とルーエリン系の2種のセッターが高い人気を得るようになり、
この2種を統合する形で「イングリッシュセッター」が誕生しました。

同じイングリッシュセッターですが、
ラヴェラック系とルーエリン系はそれぞれ特徴があり、
ラヴェラック系はやや大柄で、飾り毛が豊富、
獲物の場所を知らせるときに尻尾を水平に振ると言われています。
ルーエリン系はやや小柄で飾り毛が短く、狩猟能力に長け、
獲物の場所を知らせる時は尾を上に上げると言われています。

ラヴェラック系はショーや家庭犬向けで、ルーエリン系は実猟向けとなっています。

毛色はホワイトをベースに黒やオレンジなどの淡色のブチが入った「ベルトン」が基本ですが、
トライカラーにブチが入るカラーなどもあり、バリエーションが豊富です。

「イングリッシュセッター」の性格と飼い方

イングリッシュセッターは明るく人懐っこい性格で、飼い主さんにも忠実です。

動く物に対して興奮しやすいため、散歩中にしっかりとコントロールできるように
「ツイテ」や「マテ」などのトレーニングをしっかりと行いましょう。

野山を1日中走り回るような体力があるので、
運動時間が少ないとストレスから問題行動を起こしやすくなります。
朝晩の散歩に加えて、遊びやドッグランでの運動などを行うようにしましょう。

少し長めの被毛は草などが絡まりやすいので、
ブラッシングで落とし、綺麗に保つようにしましょう。

「イングリッシュセッター」のなりやすい病気

イングリッシュセッターは下記の病気になりやすいとされます。

イングリッシュセッターは遺伝的に「先天性難聴」になりやすいとされます。
猟犬は”猟銃の音に動じないこと”が求められましたが、
猟銃の音に動じない犬=難聴の犬と気づかずに
繁殖が続けられてきたことが関係していると考えられています。

先天性の難聴は治ることはなく、生涯付き合っていく必要があります。
難聴の犬は臆病になりやすく、飼育難度が高くなるため
ハンドサインなどを使用して、犬にわかりやすく物事を伝えることが重要です。

「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く
亜脱臼状態になる病気で、大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。

「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを起こしてしまう病気で
イングリッシュセッターなど、大型犬が起こしやすいです。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
イングリッシュセッターの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

イングリッシュセッターはイギリス原産のセッター種です。

飼い主に忠実で明るい性格のため、良い家庭犬となりますが
運動量が豊富なため、運動にしっかりと付き合える飼い主に向いています。

動く物に対して反応しやすいので、散歩中しっかりとコントロールできるように
トレーニングを行いましょう。