まるで大きなぬいぐるみ!「オールドイングリッシュシープドッグ」について

全身フワフワの被毛で覆われた「オールドイングリッシュシープドッグ」は、まるで大きなぬいぐるみのような独特の存在感があります。

今回はオールドイングリッシュシープドッグについてお話しします。

「オールドイングリッシュシープドッグ」について

オールドイングリッシュシープドッグはイギリス原産の大型犬です。

オールドイングリッシュシープドッグの名前の意味は「古いイギリスの牧羊犬」となりますが、
犬種の歴史としては比較的新しいのに、なぜオールドが付いているかは判明していません。

18世紀~19世紀頃の文献にオールドイングリッシュシープドッグのような姿の犬が登場していますが、
起源に関して正確な記録はなく、一説には姿の似ているビアデッドコリーなどの
イギリス土着の犬の交雑種から生まれたと考えられています。

オールドイングリッシュシープドッグは羊飼いの犬として、家畜の護衛や、
家畜を牧場から市場へ移動させる仕事を主に行っていたと言われます。

オールドイングリッシュシープドッグは別名「ボブテイル(短い尾)」と呼ばれることがあり、
生まれつき尾の短い個体も生まれますが、多くの場合は長い尾を
断尾することで短い尾にします。

一般的に断尾は猟犬や牧羊犬などの作業犬が作業中に
尾を傷つけないようにするために行われますが、
オールドイングリッシュシープドッグの場合は事情が少々異なります。

19世紀のイギリスではペットは贅沢品と言われ、
ペット犬の飼育に税金がかけられていましたが、作業犬には税金がかかりませんでした。
そのためオールドイングリッシュシープドッグを断尾することで作業犬とし、
税金対策をしていたと言われています。

オールドイングリッシュシープドッグは1873年に初めてドッグショーに出陳されると、
その後はアメリカにも輸出されるようになり、一躍人気犬種となりました。
ミュージカル「アニー」に出演したり、様々なマスコットキャラクターとして描かれています。

オールドイングリッシュシープドッグはフワフワの長い被毛を持ち、
目が隠れるほど顔の被毛を長く伸ばすスタイルが特徴的です。
立った状態では肩より腰の方が高い骨格をしており、洋ナシのようなシルエットをしています。
ショースタイルではお尻の被毛をフワフワに逆立てて、
特徴的な骨格を引き立てるようなグルーミングを行います。

断尾の歴史があるオールドイングリッシュシープドッグですが、
現在は動物愛護の観点から断尾されず、
自然な尾を持つオールドイングリッシュシープドッグも増えています。

「オールドイングリッシュシープドッグ」の性格と飼い方

オールドイングリッシュシープドッグはとても温厚で優しい性格です。
飼い主の行動をしっかり見て行動できる賢さも持ち合わせています。

少々頑固な面があるので、しつけは根気よく行うようにしましょう。

牧羊犬種ですので運動量は多く必要です。
毎日1~2時間の散歩やおもちゃ遊びなどを多く取り入れるようにしましょう。

被毛の量はとても多く、長く伸ばす場合は毎日のブラッシングと、
汚れやすい口元を清潔に保つなどのケアが必要です。
長く伸ばす習慣のある目の上の被毛ですが、
日常生活では目のトラブルの原因になりやすいので、
リボンやゴムなどで結んであげるようにしましょう。

大型犬であるオールドイングリッシュシープドッグのお手入れには手間やお金がかかります。
飼育の前にその点もしっかりと話し合うようにしましょう。

「オールドイングリッシュシープドッグ」のなりやすい病気

オールドイングリッシュシープドッグは下記の病気になりやすいと言われます。

「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる、
大型犬によく見られる病気です。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。

オールドイングリッシュシープドッグは密集したダブルコートを持っているため、
日本のような高温多湿の気候では皮膚疾患を起こしやすいと言われます。
ブラッシングでしっかり死毛を取り除き、皮膚を清潔に保つようにしましょう。

「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすい疾患です。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。

遺伝的に進行性網膜萎縮症白内障などの眼病を起こしやすい傾向があります。
目に赤みや、白濁がないかなど、目の健康チェックは欠かさないようにしてください。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
オールドイングリッシュシープドッグの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

オールドイングリッシュシープドッグはイギリス原産の大型犬です。

全身が長くフワフワとした被毛で覆われており、
“大きなぬいぐるみ”のような風貌がとても人気があります。

犬種の特徴である被毛のお手入れはとても手間がかかります。
毎日のお手入れや、定期的なトリミングなどをしっかり行うようにしましょう。