「吠えない犬」として有名なバセンジー。とても古い歴史を持つ犬種で、顔立ちからは神秘的な雰囲気も漂います。
今回はバセンジーについてお話しします。
「バセンジー」について
バセンジーはアフリカ、コンゴ共和国原産の中型犬です。
バセンジーの名前の由来は諸説ありますが、
スワヒリ語で「野蛮な、乱暴な」という意味のある言葉や
アフリカのピグミー族の「茂みの野生小動物」という言葉が
有望と考えられています。
バセンジーは古代犬と言われるほど古い犬種で、
一説には紀元前7000年ごろには存在していたと言われます。
バセンジーの原種はエジプト原産のハウンド種と考えられていますが、
古代エジプト王朝滅亡後、この原種は各地に離散してしまいました。
その後、19世紀後半にイギリスの冒険家がアフリカのコンゴ共和国で
狩猟犬として長い間純血が保たれていたバセンジーの原種を発見し、
自国に持ち帰ったことがきっかけで育種が始まりました。
バセンジーの特徴は吠えないことで、
嬉しい時にヨーデルのような声を出す以外はほとんど声をあげません。
また綺麗好きで猫のように毛づくろいをします。
バセンジーは1937年以降イギリス、アメリカで飼育されるようになり
その後は「吠えない犬」として世界中に知られるようになりました。
バセンジーは筋肉質でスリムな体型をしており、尻尾はしっかりと巻いています。
耳を立てると頭部にしわが寄るのも特徴的です。
通常、犬は年に2回の発情期がありますが、
バセンジーの発情期はオオカミと同じ年に1回しかありません。
毛質はなめらかな短毛で、毛色はレッド&ホワイト、ブラック&ホワイト、
ブラックタン&ホワイト、ブリンドル&ホワイトなどがあります。
「バセンジー」の性格と飼い方
バセンジーは独立心があり、落ち着いた性格です。
頑固で警戒心が強い一面もあります。
飼い主に対しては愛情深い犬ですが、
他人に対しては警戒心が強いため
子犬の頃からたくさんの人に会わせるなどの
社会化を行うようにしましょう。
動く物に対して反応しやすい性質があるので、
散歩のときなどは特に注意が必要です。
興奮を抑えられるように「マテ」を
しっかりトレーニングをすると良いでしょう。
アフリカ原産のバセンジーは寒さに非常に弱いです。
室温管理はしっかり行い、冬場は防寒着を着せるなどの
寒さ対策を行いましょう。
「バセンジー」のなりやすい病気
バセンジーは下記の病気になりやすいとされます。
- ファンコーニ症候群
- 進行性網膜萎縮
- 胃腸疾患
「ファンコーニ症候群」は腎臓に障害が起きることで栄養が吸収できず、
そのまま尿として栄養を排出してしまう疾患です。
腎臓に負担がかかることから慢性腎不全を発症する可能性が高く、命にかかわります。
バセンジーは遺伝的にファンコーニ症候群を発症しやすいという報告がありますので、
飲水量、尿の色や回数などに注意し、いつもと違う様子が見られたら
獣医さんに相談してください。
「進行性網膜委縮症(別名PRA)」は眼の奥にある網膜が変性・委縮し、
最終的には両目とも失明してしまう遺伝性の病気です。
治療方法や予防方法が確立されていないため、
発症すると最終的には失明してしまいます。
PRAは遺伝子検査により、発症リスクの有無を調べることができます。
バセンジーはお腹が弱い個体が多く、軟便や下痢が続くことがあります。
消化しやすいドッグフードを与えたり、
お腹を冷やさないように洋服や腹巻を使用するなどし、
お腹の健康に気を付けてあげましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
バセンジーの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
バセンジーはアフリカ・コンゴ共和国原産の中型犬です。
古代犬とも言われるとても古い犬種で、独特の魅力があり
「吠えない犬」としても有名です。
飼い主には愛情深いですが、頑固で警戒心が強い面があるので、
子犬の頃からたくさんの人に会わせるなどの
社会化を行うようにしましょう。
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