キングオブテリア!「エアデールテリア」について

テリアの中で最も大きいテリアが「エアデールテリア」です。

大きな体のエアデールテリアは、テリアファンにとっては憧れの犬種とも言われます。

今回はエアデールテリアについてお話しします。

「エアデールテリア」について

エアデールテリアはイギリス原産の中~大型犬です。

テリア種の中で最も大きいエアデールテリアは、『キングオブテリア』とも呼ばれます。
犬名は原産地であるイギリスのヨークシャーにあるエア渓谷(エアデール)が由来です。

エアデールテリアは19世紀頃、カワウソ猟が盛んだったイギリスのヨークシャー、
エア渓谷で作出されました。

当時この地域ではカワウソ猟にオッターハウンドという猟犬を使用していましたが、
より優れた犬を作出すべく、オッターハウンドにブラックアンドタンテリアや
マンチェスターテリア、ブルテリアなどのテリア種を掛け合わせて
誕生した犬がエアデールテリアと言われています。

勇敢で賢いエアデールテリアは、カワウソ猟や水鳥猟の他に
キツネやウサギなどの猟でも活躍し、漁師たちにとても重宝されていました。

当初エアデールテリアは「ビングレー」や
「ウォーターサイド・テリア」などと呼ばれていましたが、
愛好家からの不満もあり、1878年「エアデールテリア」と命名されました。

エアデールテリアは1884年にドッグショーで優勝したことで人気となり、
第二次世界大戦中は従順で訓練性能が高いことから軍用犬としても活躍しました。

現在では日本をはじめ、様々な国で警察犬として採用されています。

エアデールテリアは筋肉質な体格に長い四肢を持つ、とてもスタイルの良いテリアです。
V字型の耳は前に垂れており、目は小さめです。
被毛はワイヤー状で色は黄褐色(タン)を基調とし、
背中にブラックやグリズル(ブラックにグレーやレッドの毛が混じった混合色)が
馬の鞍が腰に掛かったようになっています。

尾は断尾する習慣がありますが、近年は動物愛護の観点から
原産国のイギリスでも断尾が禁止されています。

「エアデールテリア」の性格と飼い方

エアデールテリアは明るく活発、勇敢で物怖じしない性格です。
他のテリア種と比べて我慢強く、子供とも仲良くできます。

物覚えが良く、訓練性能も高い犬種ですが、
頑固で負けず嫌いというテリア気質を持つ大型犬のため
一般家庭でのトレーニング難易度は高めです。
強く叱るトレーニングをすると反抗することがあります。

自分で物事を考えて行動することが得意な犬種なので、
『今何をしたら良いのか犬自身に考えさせて、
その動作をした時によく褒める』というトレーニング方法が向いています。

被毛は定期的なトリミングが必要で、
バリカンかプラッキング(脱毛)という方法で行われます。

トリミングは一般的にバリカンを多く使用しますが、
バリカンを使用すると被毛が柔らかくなるため、
硬いワイアーヘアを維持するためにはプラッキングが必要です。
どちらのカットスタイルにするかはあらかじめ家族内で決めるようにしましょう。

「エアデールテリア」のなりやすい病気

エアデールテリアは下記の病気になりやすいと言われます。

エアデールテリアは眼病になりやすい犬種で、
眼の奥にある網膜が変性・委縮し、
最終的には両目とも失明してしまう「進行性網膜委縮症(別名PRA)」
角膜に脂肪などが付着し、白斑が生じる「角膜ジストロフィー」
結膜に炎症がみられる「結膜炎」などが見られやすいです。

目に赤みや、白濁がないかなど、
目の健康チェックは欠かさないようにしてください。

「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる、
大型犬によく見られる病気です。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。

「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすい疾患です。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
エアデールテリアの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

エアデールテリアはイギリス原産の最も大きいテリア種です。

元々は猟犬として活躍しましたが、
近年は警察犬として活躍したり、ペットとして人気です。

とても賢い犬ですが、頑固なテリア気質をしっかりと持った
大型犬ですのでトレーニングの難易度は高めです。
難しい場合は専門家に相談してください。