テリア界の貴公子!「ワイアーフォックステリア」について

ワイアーフォックステリアは「テリア界の貴公子」とも呼ばれる、典型的なテリアです。

今回はワイアーフォックステリアについてお話しします。

「ワイアーフォックステリア」について

ワイアーフォックステリア(※)はイギリス原産の小型犬で、
名前の通りキツネ狩りに使われてきた剛毛のテリア犬種です。
(※ワイヤーの表記もあり)

ワイアーフォックステリアは貴族のスポーツである
キツネ狩りに17世紀頃から使用されたと言われ、
キツネを巣穴まで追いかけ、戦い、地上へおびき出すという仕事をこなしていました。

イギリスのフォックステリアにはごわごわとした針金状の
ワイアーコートを持つワイアーフォックステリアの他に
短く真っ直ぐなコートを持つスムースフォックステリアがいます。

どちらも白をベースにした3色カラーの犬種ですが、
これはキツネと間違えて誤射しないために
白の割合が多い犬に改良されたためと言われます。

この2犬種の起源については諸説あり、

  • 元々の起源はスムースフォックステリアにあり、
    スムースフォックステリアに白の割合が多いフォックスハウンドを交配して
    3色カラーのスムースフォックステリアが誕生。
    その後、スムースフォックステリアに複数のテリアが交配され
    ワイアーフォックステリアが誕生したという説
  • 元々犬種の起源が異なるスムースとワイアーの
    フォックステリアが存在していたが、
    初期のワイアーフォックステリアは黒や茶の毛色が多かったため、
    白の割合が多いスムースフォックステリアを掛け合わせて
    3色カラーのワイアーフォックステリアを作出したという説

があります。

この2犬種は同一犬種として見られていた時期がありますが、
ドッグショーに出るようになってからは別犬種として登録されるようになり、
スムースとワイアーの交配はドッグショーの既定である
犬種スタンダードとして禁止されました。

ワイアーフォックステリアは元々優れたキツネ狩りの犬ですが、
現在はぬいぐるみのような容姿から猟犬として飼育されるよりも
家庭犬としての人気が高くなっています。

反対にスムースフォックステリアは猟犬としての気質が強く、
現在も猟犬として多くが飼育されています。

ワイアーフォックステリアはベルギーの漫画
「タンタンの冒険」に出てくるスノーウィのモデルとしても有名です。

ワイアーフォックステリアの毛色はホワイトがベースで、
ブラックタンなどのマーキングが入ります。
顔の形は長方形でマズルは長く、ストップ(マズルと額の接触部分のくびれ)はほとんどありません。
耳はV字型で前方に垂れています。

「ワイアーフォックステリア」の性格と飼い方

ワイアーフォックステリアはとても活発で好奇心旺盛、遊び好きな犬種ですが、
典型的なテリア気質(勇敢で気が強く、頑固)を持ち合わせています。

ワイアーフォックステリアは我が強く、しつけの難易度は高めです。
遊び好きな性格なので、ボール遊びなどをご褒美にしながら
メリハリをしっかりつけたトレーニングを行うようにしましょう。

おもちゃで遊ぶ際は「放せ」などの指示でしっかり口から出すようにし、
所有欲を持たせないことも重要です。

他犬に対して気が強く、ケンカを仕掛けることがあるので、
子犬の頃からたくさんの犬と合わせるなどの社会化を行いましょう。

テリア気質を上手くコントロールすることが出来れば、
一緒に遊べる、楽しいパートナー犬になります。

ワイアーフォックステリアの抜け毛は少なく
日常の被毛の手入れは難しくありませんが、
被毛は少しずつ伸びるため定期的なトリミングが必要です。

トリミングはバリカンかプラッキング(脱毛)という方法で行われます。
ペットカットの場合は一般的にバリカンを多く使用しますが、
バリカンを使用すると被毛が柔らかくなるため、
硬いワイアーヘアを維持するためにはプラッキングが必要です。
どちらのカットスタイルにするかはあらかじめ家族内で決めるようにしましょう。

「ワイアーフォックステリア」のなりやすい病気

  • 皮膚疾患
  • 関節疾患

ワイアーフォックステリアは元々皮膚が脂性で弱く、
脂漏性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎、外耳炎などの
皮膚疾患が多く見られる犬種です。

普段から皮膚に赤みや湿疹がないか、痒がっていないか等を
チェックするようにし、異常があったら動物病院に行くようにしましょう。

湿気の多い時期や乾燥する時期など、
皮膚トラブルが多く見られる時期は特に注意しましょう。

ワイアーフォックステリアは肩や足の関節が脱臼しやすいと言われます。
フローリングなど滑りやすい場所には、
カーペットを敷くなど対策をしましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
ワイアーフォックステリアの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

ワイアーフォックステリアはイギリス原産のテリア犬種で、
古くからキツネ狩りに使用されてきました。

テリア特有の気の強さを持ち合わせているので、
トレーニングはしっかりと行うようにしましょう。

皮膚が弱い個体が多いので、皮膚の状態チェックを欠かさないようにし、
異常が見られたらすぐに動物病院へ行くようにしましょう。