犬の中で最も背の高い犬種(体高の高い犬種)として有名なのがアイリッシュウルフハウンドです。その大きさは一度見ると忘れられないぐらいのインパクトがあります。今回はアイリッシュウルフハウンドについてお話しします。
「アイリッシュウルフハウンド」について
アイリッシュウルフハウンドはアイルランド原産の超大型犬で、
全犬種中最も体高の高い犬種です。
アイリッシュウルフハウンドは視覚に優れ、
視覚を使用した狩りを得意とする「サイトハウンド」に分類されます。
犬種名は原産国のアイルランド+オオカミ(ウルフ)+ハウンド(猟犬)
が由来です。
アイリッシュウルフハウンドの起源はとても古く、
先祖犬は紀元前1500年頃にギリシアから
アイルランドに渡ってきた犬と言われます。
立派な体格のアイリッシュウルフハウンドは、
ローマへの献上物とされていた記録もあります。
アイルランドではアイリッシュウルフハウンドを、
オオカミから家畜を守る護衛犬やオオカミ狩りの猟犬として重宝し、
さらに、猟師以外でも飼いやすいように
従順で辛抱強く大きい犬に改良していきました。
18世紀中頃アイルランドからオオカミが絶滅すると、
アイリッシュウルフハウンドも絶滅寸前まで数を減らしましたが、
愛好家たちによって他のハウンド種やグレートデーンなどの犬種を
掛け合わせることで数を増やすことに成功しました。
アイリッシュウルフハウンドは剛毛で筋肉質の逞しい体という、
とてもワイルドな風貌をしています。
足が長く、立ち上がると2m近くなる個体もいます。
毛色はグレー、フォーン、レッド、ブリンドルなど。
「アイリッシュウルフハウンド」の性格と飼い方
アイリッシュウルフハウンドは従順で穏やかな性格です。
我慢強く優しいため、子どもとの相性も良いですが、
押し倒してしまった場合に思わぬ怪我を負う可能性があるので
乳幼児のいるご家庭には不向きです。
感受性が強く繊細な面があるので、
コミュニケーションをしっかりと取り、
褒めて伸ばすしつけを行えると良いでしょう。
アイリッシュウルフハウンドは家庭犬向きの性格をしていますが、
体が大きく、広い生活スペースが必要な他、
運動量が豊富なハウンド種のため、散歩も長時間必要で
誰にでも飼える犬種ではありません。
超大型犬であるアイリッシュウルフハウンドは
寿命も6~8年と他の犬種よりも短命の傾向があります。
飼育をする場合はアイリッシュウルフハウンドについてしっかり学んだうえ、
覚悟を持って飼育をするようにしましょう。
「アイリッシュウルフハウンド」のなりやすい病気
アイリッシュウルフハウンドは下記の病気になりやすいとされます。
「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすい疾患ですが、
アイリッシュウルフハウンドは胸が深い(胸骨と背骨の間が長い)骨格のため、
胃捻転を特に起こしやすい犬種とされます。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。
「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く
亜脱臼状態になる病気で、大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。
繊細な性格のアイリッシュウルフハウンドはストレスなどをきっかけに
下痢や嘔吐などの消化器疾患を起こしやすい傾向があります。
環境の変化などには気を付けるようにしましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
アイリッシュウルフハウンドの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
全犬種中最も体高の高い犬として
有名なアイリッシュウルフハウンド。
大きな体にワイルドな風貌は憧れる人も多い犬種ですが、
“超大型犬”ですので、飼育スペースや運動など
飼育に関しては覚悟が必要です。
胃捻転を起こしやすい体型をしているので、
食事の管理などには注意しましょう。
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