マイペースなライオン犬!「ペキニーズ」について

鼻ペチャで愛嬌のある顔立ちに、ライオンのようなたてがみを持つ「ペキニーズ」はとても個性的な犬種です。

今回はペキニーズについてお話しします。

「ペキニーズ」について

ペキニーズは中国原産の小型愛玩犬です。
ペキニーズは「北京の犬」の意味である英語が名前の由来で、
中国語では「ジンパ(京巴)」と呼ばれています。

ペキニーズの祖先犬はチベット原産のチベタンスパニエルと言われ、
8世紀頃には最古のペキニーズの記録が残っています。

チベタンスパニエルは仏教を信仰していたチベットの寺院で
飼育、繁殖されてきた犬種です。

仏教で獅子は“邪気を払う霊的な力のシンボル”としており、
獅子のような犬を作出することに力を入れていました。

チベタンスパニエルを“獅子犬”として改良し、
誕生したのが「ペキニーズ」と言われています。

ペキニーズは中国の歴代皇帝に献上され、
宮廷外へ門外不出の犬として扱われました。

魔よけの力があると考えられていたペキニーズは
皇帝の葬儀の際に、棺を導く先導犬の役割が与えられていました。
西太后の葬儀が行われた際に、先導犬をモータンという
ペキニーズが務めたことが知られています。

門外不出だったペキニーズはアヘン戦争の際に
イギリスの軍人によって自国へ持ち帰られ、
ヴィクトリア女王に献上されました。

犬好きで有名だったヴィクトリア女王はペキニーズを繁殖し、
王族や貴族の中でだけ飼育されていましたが、
1893年にドッグショーに出陳されると鼻ペチャで愛嬌のある容姿が人気を博し、
世界中に知られるようになりました。

ペキニーズはマズルが潰れた短頭種で、脚は短めです。
被毛は密集したダブルコートで耳としっぽに飾り毛があります。

カラーはフォーン、ブラック、ホワイト、パーティなど。

「ペキニーズ」の性格と飼い方

ペキニーズは可愛らしい見た目に反して勇敢で、
“犬らしくない、猫のような犬”と言われるぐらい
気まぐれでマイペースな犬です。

ペキニーズは愛玩犬ですが、人に抱かれるのを好みません。
そんな見た目とギャップのある性格も個性的で愛されています。

頑固な面があるので物事を教える際には根気がいります。
しっかりとしつけをし、信頼関係を築くことが出来たら
良いパートナーになってくれるはずです。

運動は得意ではないため、運動量は少なめです。
あまり吠えず、騒がしく動き回るタイプではないため
集合住宅などでの飼育にも向いています。

密集した被毛を持つ短頭種のペキニーズは暑さに非常に弱いです。
夏場の温度管理には注意しましょう。

長い被毛はしっかりブラッシングをして死毛を取り除き、
毛玉を予防するようにしましょう。

「ペキニーズ」のなりやすい病気

ペキニーズは下記の病気になりやすいと言われています。

ペキニーズは心臓の左心房から右心房への僧帽弁が閉じ切らないことで、
血流が逆流してしまう「僧帽弁閉鎖不全症」が多く見られます。
高齢になると症状が出やすいので、定期検診を行うようにしましょう。

ペキニーズは「椎間板ヘルニア」を発症しやすい犬種です。
椎間板ヘルニアは、椎骨と椎骨の間で、
クッションの役割をはたす「椎間板」に亀裂が生じ、
一部が飛び出してしまう病気です。
椎間板ヘルニアを起こすと、触るだけで痛がったり
動かなくなったりするなどの異常が見られます。
椎間板ヘルニアは、肥満によって発症することもあるため
体重管理には気を付けましょう。

ペキニーズは被毛の量が多く密集していることに加えて、
皮膚にたるみがあることから皮膚疾患になりやすい犬種です。
顔のシワに溜まった汚れはウェットティッシュで拭きとり、
ブラッシングを毎日行うなど小まめなケアを行うようにしましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
ペキニーズの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

ペキニーズは中国原産の小型愛玩犬です。

潰れた鼻とライオンのような被毛が特徴的で、
古くから中国で飼育されてきました。

性格はマイペースで“猫のような犬”です。
しつけは根気よく行うようにしましょう!