ライオンのような被毛に、クマのような体、とてもユニークな顔をした「チャウチャウ」は一度見たら忘れられない犬種です。
今回はチャウチャウについてお話しします。
「チャウチャウ」について
チャウチャウは中国原産の中~大型犬です。
チャウチャウの名前の由来は
東洋の骨董品・珍しい装飾品という意味や、
中国語のGou(犬)という説があります。
チャウチャウは中国で2000年前から飼育されている大変古い犬で、
祖先はスピッツタイプの犬やマスティフタイプの犬と考えられていますが、
はっきりとはわかっていません。
チャウチャウは非常に原始的な犬で、
血縁的にはオオカミに近いとされています。
中国王朝時代ではチャウチャウを寺院を守る守護獣として扱っており、
その後一般に普及すると狩猟犬やソリ犬として飼育されましたが、
次第に用途が分かれて行き、毛皮用や食用としても飼育されるようになりました。
食用犬として太らせるためには運動制限させることが好ましいという理由から、
チャウチャウの後ろ脚は改良されて、棒のように伸びています。
そのため、チャウチャウはちょこちょこと小刻みな歩き方をします。
ずっと中国国内からから出ることがなかったチャウチャウは
19世紀後半にイギリスの動物園で展示されると、
ビクトリア女王が興味を持ち、家庭犬として改良されるようになりました。
ユニークな表情のチャウチャウはイギリスで人気を博し、
20世紀初頭にはアメリカでも人気の犬種となりました。
家庭犬として改良されたチャウチャウですが、
一時は乱繁殖から気性の激しい個体が生まれることがありました。
現在、気性の改良はされていますが、独立心が強い性格から
他の犬と比べて人に対してあまり興味を示さない傾向があります。
チャウチャウは大きな顔に小さい垂れ目という
ファニーフェイスが特徴で、青黒い舌を持ちます。
被毛は長毛で、毛色はブラック、レッド、ブルー、フォーンなどの単色です。
「チャウチャウ」の性格と飼い方
チャウチャウは飼い主に忠実ですが、とてもマイペースで頑固な犬種で、
飼い主以外の他人に対しては警戒心が強く、そっけない態度をとることがあります。
独立心が強いため、飼い主に依存することが少なく、
お留守番などは比較的得意です。
チャウチャウは初心者には飼育が難しい犬種とされます。
飼育する場合は犬種の性質を理解し、
根気よくトレーニングを続けることが必要です。
体型から運動はあまり得意ではなく、
中・大型犬サイズですが運動量はあまり必要ありません。
毛量が多く、夏の暑さにはとても弱いので
夏の暑さ対策はしっかりと行うようにしましょう。
チャウチャウは家庭犬として改良されましたが、
繁殖系統によっては気性の荒い個体が生まれることがあります。
親犬や子犬を見るとある程度の気性がわかりますので、
チャウチャウを迎える際は複数のブリーダーを
見学することをおすすめします。
「チャウチャウ」のなりやすい病気
チャウチャウは下記の病気になりやすいとされます。
- 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
- 緑内障
- 皮膚疾患
- 胃ガン
目が小さく皮膚に埋もれているチャウチャウは、目の疾患が比較的多く見られます。
下瞼の先が眼球側に反り返ってしまい、眼球に当たることで炎症を起こしてしまう
「眼瞼内反症」や、眼圧が高くなり目に痛みが出たり、
失明することもある「緑内障」などが特に見られやすいです。
充血したり目ヤニが出るなどの症状が見られたら、獣医さんに相談しましょう。
チャウチャウはアレルギー性皮膚炎をはじめとした皮膚疾患が見られやすく、
皮膚が厚く硬くなることもあります。
皮膚疾患は長期的な治療が必要なことが多いので、
皮膚に痒みや赤みが見られたら、早めに治療を開始しましょう。
チャウチャウは他の犬種に比べて胃ガン発症率が高いことが知られています。
内臓のガンは発見が難しいのですが、食欲や便の状態などを
毎日気にするようにし、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
チャウチャウの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
チャウチャウは中国原産の中~大型犬です。
チャウチャウは見た目がとてもユニークなことから、
世界的に有名で人気のある犬種ですが、
人に対して興味を示しにくい傾向があり、
しつけの難度は高いです。
飼育する場合は犬種の性質を理解し、
根気よくトレーニングを続けることが必要です。
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