端正な顔立ちに引き締まった体の「ドーベルマン」は、とても格好良い犬です。
警察犬、軍用犬などのイメージも強く、世界的にも知名度の高い犬種です。
今回は「ドーベルマン」についてお話しします。
「ドーベルマン」について
ドーベルマンはドイツ原産の大型犬です。
ドーベルマンはドイツのブリーダー、
“フリードリヒ・ルイス・ドーベルマン”が
ジャーマンピンシャーにジャーマンシェパードドッグ、
ロットワイラー、マンチェスターテリアなどを交配して
19世紀末に作出した犬種です。
犬名はブリーダー名からそのまま付けられています。
ドーベルマンは「優秀な護衛犬」を目的として作出されたため、
警備能力が高く、訓練性能も高かったことから
警察犬や軍用犬として広く採用されました。
ドーベルマンは日本でも警察犬種に認定されています。
特徴的な立ち耳と短い尾は、子犬時に行う断耳・断尾による整形で、
本来は垂れ耳と細く長い尾を持ちます。
犬にとって弱点である耳や尾を、護衛の際に狙われないように
断耳・断尾が行われました。
現在の断耳・断尾は見た目重視の意味合いが強く、
ヨーロッパ諸国では動物愛護の観点から断耳・断尾は行わない
習慣が広がっています。
ドーベルマンは光沢のある短毛を持ち、
引き締まった筋肉質な体型は「犬のサラブレッド」とも呼ばれます。
カラーはブラックタン、チョコレートタン(レッド)、ブルー、イザベラがあり、
ホワイト(アルビノ)も存在しますが、体質が弱く健康上の問題が大きいため、
公認されていません。
「ドーベルマン」の性格と飼い方
ドーベルマンは賢く、飼い主に忠実で勇敢な犬種です。
強面の容姿とは裏腹にとても甘えん坊な一面も見せます。
護衛犬として誕生したドーベルマンは警戒心が強い傾向にあり、
他人や他犬には攻撃的になることがあるため、
子犬の時から社会化トレーニングを行い、
色々な物に慣らすようにしましょう。
力が強いため、飛びつきや引っ張りが起きると
事故につながることがあります。
コントロールできるようにしっかりと
トレーニングを行いましょう。
ドーベルマンは体力があり、運動量も多い、
とてもエネルギッシュな犬種です。
運動不足はストレスとなり、問題行動の引き金になります。
十分な運動や遊びによるスキンシップを行い、
心身ともに満足させるようにしましょう。
短毛のシングルコートを持つドーベルマンは寒さに弱いため、
冬場の室温管理や寒さ対策をしっかり行うようにしましょう。
「ドーベルマン」のなりやすい病気
ドーベルマンは下記の疾患になりやすいと言われています。
「拡張型心筋症」は心臓の筋肉が薄くなり、収縮機能が低下することで
全身にうまく血液を送れなくなってしまう病気です。
この病気になると、食欲の低下や肺水腫などの症状が見られることがありますが、
無症状のことも多いです。
ドーベルマンは遺伝的に拡張型心筋症が見られやすいため注意が必要です。
心臓の検査を定期的に受けるようにしましょう。
「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる病気で、
大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。
「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを起こしてしまう病気で
ドーベルマンなど、大型犬が起こしやすいです。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
ドーベルマンの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
ドーベルマンはドイツ原産の大型犬です。
とても格好良い犬のため、憧れる方も多い犬種ですが
賢く忠実な一方、警戒心が強く攻撃的な面が見られる
個体がいるため、飼育難度は高めです。
トレーニングや運動をしっかりとさせる必要がありますので、
ドーベルマンという犬種をしっかりと理解したうえで、
適切な飼育を心がけるようにしましょう。
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