白くて大きな体が格好いい「グレートピレニーズ」。
その大きさと白さは、一目見たら忘れられないインパクトがあります。
今回はグレートピレニーズについてお話しします。
「グレートピレニーズ」について
「グレートピレニーズ」はフランス原産の超大型犬です。
犬種名の由来は出身地のフランス、ピレネー山脈からで、
別名をピレニアン・マウンテン・ドッグと言います。
グレートピレニーズは紀元前6世紀頃、遊牧民などに連れられて入ってきた
”チベタンマスティフ”が先祖犬とされており、
山岳地帯の家畜の群れをクマやオオカミから守る護衛犬として
何世紀にも渡り飼育されてきました。
17世紀になるとルイ14世やマリー・アントワネットに護衛犬として
愛されるようになり、フランス王室の公式犬にもなりました。
その後、オオカミやクマなどの野生動物が減り、護衛犬が必要とされなくなると
グレートピレニーズは一時絶滅の危機に瀕しましたが、
山岳地帯に生き残っていたグレートピレニーズを愛好家たちが発見し、繁殖を続けました。
この犬たちを元に警戒心の強い護衛犬から、
家庭犬に適した気質へと改良が行われたのが現在のグレートピレニーズです。
グレートピレニーズの犬種特徴の一つに「狼爪(ろうそう)」があります。
他の犬は前肢の他の指より高い位置(人で言う親指の位置)に狼爪と呼ばれる
爪を持ちますが、一般的に後肢にはありません。
(※後肢に狼爪があった場合は、爪を引っかけて怪我をしてしまうことがあるため、
多くの場合子犬のうちに切除されます)
しかし、グレートピレニーズは血統的にオオカミに近く、後肢に2つの「狼爪」を持ちます。
この後肢の狼爪は山岳地帯を歩く際に滑り止めのような役割をしていたことから、
グレートピレニーズの特徴の一つとして残されることが多いです。
グレートピレニーズの体はとても大きく頑丈で、被毛のカラーは白一色、
または白にグレーや茶色のマーキングがあります。
「グレートピレニーズ」の性格と飼い方
グレートピレニーズは飼い主にとても忠実で、忍耐力がある犬種です。
優しく落ち着きがありますが、護衛犬の名残として警戒心の強い面を持ちます。
また、人の指示が届かない場所で家畜を守る仕事をしていたことから、
自分で物事を判断する傾向があり、頑固なところがあります。
反抗したり、コントロールが出来なくなることがあるので
しっかりとしたトレーニングを行い、信頼関係を築くようにしましょう。
とてもスケールの大きい犬ですので、飼育には広い敷地が必要です。
暑さに非常に弱いので、夏場は冷房による室温管理が必須になります。
立派なダブルコートを持つグレートピレニーズは
年間を通してたくさんの毛が抜けます。
出来れば毎日ブラッシングを行い、死毛を取り除くようにしましょう。
「グレートピレニーズ」のなりやすい病気
グレートピレニーズは下記の病気になりやすいとされます。
「骨肉腫」は「骨髄」、骨の外側を形成する「皮質骨」、
骨を外側から包み込んでいる「皮質膜」という組織に発生する骨のガンです。
大型犬に発症することが多い腫瘍ですが、グレートピレニーズは
骨肉腫の好発犬種として知られ、中年齢で発症することも多いです。
骨肉腫は足に出来ることが多く、足が腫れたり
痛みで歩きたがらないこと等の症状が出ることが多いです。
足や歩行に異常がないかチェックするようにし、
異常が見られたら病院へ行くようにしましょう。
「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる病気で、
大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。
「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすいです。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
グレートピレニーズの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
グレートピレニーズはフランス原産の超大型犬です。
たくましい体に白くて綺麗な被毛を持つ姿が人気の犬種ですが、
体が大きいため、飼育の際は飼育環境や
金銭面を含めてよく考える必要があります。
歩行の変化から病気を発見することがありますので、
普段から歩き方に異常がないか
注意深く観察するようにしましょう。
最近のコメント