世界で最も大きい犬種!「セント・バーナード」について

犬の中で最も大きい犬種の一つ「セント・バーナード」。アニメや映画にも出ているため、世界的にも有名な犬種です。今回はセント・バーナードについてお話しします。

「セント・バーナード」について

セント・バーナードはスイス原産の超大型犬で、
修道院「サン・ベルナール」を英語読みしたものが犬名の由来です。

セントバーナードの起源は2世紀頃、ローマ帝国の軍用犬であった
モロシアンタイプ(※)の犬と考えられています。
(※力強い顎と発達した筋肉を持つ、闘犬や軍用犬などのグループ)

このモロシアンタイプの犬を元に作出された「アルペン・マスティフ」は
当初番犬として飼育されていましたが、優れた探索能力が認められたため、
雪山で遭難者が続出するグラン・サン・ベルナール峠にある修道院に寄贈されました。

その後修道院のアルペン・マスティフを改良した種を
「セント・バーナード」と分けて呼ぶようになり、
セント・バーナードの元となったアルペン・マスティフ自体は絶滅しました。

サン・ベルナール修道院のセント・バーナードは首に酒の入った樽を括り付け、
遭難者に届けるなど、雪中遭難救助犬として活躍しました。
なかでも「バリー」というセント・バーナードは生涯に40名もの人命を救出し、
剥製がスイス・ベルンの博物館に今も展示されています。

19世紀初め、セント・バーナードは近親交配を続けた結果、
遺伝性疾患のため絶滅の危機に陥いりますが、
同じモロシアタイプの「ニューファンドランド」と交配することにより、
種を存続しています。

セント・バーナードは極寒に耐えられる密集したダブルコートを持ち、
毛質はロングコートとスムースコートがいます。
骨格は太くガッチリとしていて、垂れ耳です。
犬の中で最も体重が重いと言われるセント・バーナードの体重は
50kg~90kgほどあり、なかには100kgを越える個体もいます。

「セント・バーナード」の性格と飼い方

セント・バーナードは落ち着いた性格で、忍耐強く、優しい性格で
子供にも優しく接することが出来ます。

頑固な面もありますが、従順で物覚えが良いため、
比較的トレーニングはしやすいです。

超大型犬のセント・バーナードは引っ張りや飛びつきなどの癖がつくと
危険ですので、子犬の頃から注意してトレーニングしましょう。

セント・バーナードは十分な飼育スペースや、暑さ対策のための冷房が必須です。
しっかりと飼育環境を整えるようにしましょう。

セント・バーナードはマズルが短く、皮膚が垂れているため
ヨダレが多い犬種として有名です。
家具や床にヨダレが付くことは日常茶飯事ですので、
飼育の際はこの点にも覚悟が必要です。

ヨダレは悪臭や皮膚炎の原因になるため、
犬自身についた場合はすぐにふき取ったり、
よだれかけのようなものをつけるようにしましょう。

「セント・バーナード」のなりやすい病気

セント・バーナードは特に関節のトラブルが多く見られます。

セント・バーナードは遺伝的に「股関節形成不全」が多く見られます。
股関節形成不全は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる病気で、
この病気になるとモンローウォークという腰を左右に振る独特な歩行になります。

「前十字靭帯断裂」は膝関節にある膝の曲げ伸ばしを行う前十字靭帯が
切れてしまった状態です。この靭帯が切れると運動を嫌がったり、
関節に痛みや腫れが見られることがあります。

超大型犬であるセント・バーナードは体重によって関節に負荷がかかりがちなので、
体重管理は関節疾患の予防に繋がります。

「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすいです。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
セント・バーナードの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

セント・バーナードはスイス原産の超大型犬で、
雪山で遭難した人を助ける救助犬として働いていました。

落ち着きがあり、物怖じしない性格で
人間の良いパートナードッグになりますが、
体が大きいため、飼育の際は飼育環境や
金銭面を含めてよく考える必要があります。

関節のトラブルが多いので、体重管理に注意し、
歩行に違和感がある場合は早めに獣医さんに相談しましょう。