愛され続ける白い小型犬!「マルチーズ」について

真っ白な被毛につぶらな瞳が可愛い「マルチーズ」。

昭和の日本では「小型犬の御三家」といえば「マルチーズ」「ヨークシャー・テリア」「ポメラニアン」と言われており、マルチーズは当時からとても身近な小型犬でした。

小型犬ブームが続く日本では、今でもマルチーズは安定した人気があり、人々に愛されています。

今回はそんな「マルチーズ」についてお話しします。

「マルチーズ」について

「マルチーズ」は中央地中海沿岸地域原産(※)の小型の愛玩犬です。
(※)原産国はマルタ島(現在のマルタ共和国)またはイタリアと
表記されることもありますが、ジャパンケネルクラブの表記に準じます。

マルチーズの起源はとても古く、紀元前1500年頃貿易商人によって
マルタ島に持ち込まれた犬と言われ、
犬種名のマルチーズもこの「マルタ島」から来ています。

この頃のマルチーズは「長い船旅をする者や、船員のペット」として
飼育されていたようです。

中世になるとマルチーズはヨーロッパ各国へ紹介されるようになり、
フランスの貴婦人の間で「抱き犬」として人気を博しました。

イギリスへはマルタ島がイギリス領になった19世紀になってから持ち込まれました。
ビクトリア女王がマルチーズを飼育したことで
一般市民にも知れ渡り、19世紀末には人気犬種となりました。

日本では1970年頃に流行となり、一時は飼育頭数のトップにもなりました。
小型で愛らしい外見から現在でも人気の高い犬種です。

マルチーズの毛色の多くは純白ですが、レモン(黄色がかった白色)、
タン(ベージュ)なども認められます。

被毛はシングルコートで、アンダーコートがありません。
抜け毛は少ないですが、寒さに弱いです。
また、被毛は伸び続けるためトリミングが必要です。

被毛を伸ばした優雅なスタイルがドッグショーでの定番ですが、
一般家庭では短くカットしたスタイルの方が多いです。

体重は1kg~3kgほどです。

「マルチーズ」の性格と飼い方

マルチーズは明るく人なつっこい性格で、コントロールしやすいことから
一般的に初心者でも飼いやすい犬とされます。

ただし、容姿が小さく可愛いことから、
飼い主さんが甘やかしてわがままになってしまうことがあります。

また、小さいからと言ってあまり散歩に連れ出さないと、
社会化できず、吠えたり極端に怖がる犬になってしまうので、
しっかりしつけと社会化トレーニングを行うようにしましょう。

体力はあまりないので、ドッグスポーツなどには不向きです。

被毛は抜けにくいですが、もつれや毛玉になりやすいので
ブラッシングを行うようにしましょう。

「マルチーズ」がなりやすい病気

マルチーズは心臓の左心房から右心房への僧帽弁が閉じ切らないことで、
血流が逆流してしまう「僧帽弁閉鎖不全症」が多く見られます。
8歳頃から症状が出始めるので、定期検診を行うようにしましょう。

膝のお皿が脱臼してしまう「膝蓋骨脱臼」は、
マルチーズなどの小型犬に起きやすい症状です。
歩き方に異常はないか、痛がっていないかなど
注意するようにしましょう。

マルチーズは白い被毛のため、目立ちやすいということもありますが、
涙と目ヤニによる「涙やけ」が見られやすい犬種です。
涙や目ヤニが出ていたら定期的にふき取るようにしましょう。

また、鼻涙管が狭いことで涙が詰まってしまう「流涙症」が原因で
涙やけを起こすこともあります。
この場合は目薬や外科治療を行うと症状が改善することもあるので、
気になる場合は獣医さんに相談してみましょう。

体が小さく骨が華奢なマルチーズは骨折をしやすい犬種です。
ジャンプさせないなどの対策をするようにしましょう。

まとめ

マルチーズはとても古く歴史のある小型愛玩犬です。

長く人々に愛されてきた犬種だけあり、
初心者でも飼いやすい性格ですが、
甘やかしすぎるとわがままになってしまうので、
しつけはしっかりと行いましょう。

心臓病が起きやすい犬種ですので、
定期検診をしっかり行うようにしましょう。