犬のトレーニングテクニック「誘導」について

犬に「オスワリ」などの指示を教える時は
多くの場合「誘導」というテクニックを使います。

誘導は犬への「ヒント」になり、
新しい動作を教える際にはとても役立ちます。

今回はこの「誘導」についてお話しします。

犬の「誘導」について

犬の誘導の基本は
「犬の鼻先におやつを持って行き、手に付いてこさせる」
ことです。

多くの犬はおやつのニオイに惹かれて手に鼻を近付かせるため、
そのまま手を動かすと、犬を動かすことができます。

おやつに興味がない犬に対しては音の出るおもちゃなど、
興味を引くものを使用することもあります。

誘導の例としてオスワリは
「鼻先におやつを持って行き、
上を向かせるとお尻が下がり、オスワリの形になる」

という誘導で教えることが出来ます。

おやつの「誘導」から手の「指示」に変えていく

「おやつ」はあくまで初めに犬の興味を引き付けるための
きっかけであり、徐々に「おやつ」から「手」で誘導するように変えていきます。

初めのうちはおやつのニオイで誘導しますが、
動作ができるようになってきたら、
おやつを持たずに「手の動き」で誘導して、
動作が出来たら逆の手からおやつをあげるようにします。

オスワリを例にすると

  1. おやつを持たずに手のひらを上にし、
    おやつを持っていた時と同じように犬の鼻を誘導。
  2. 犬は手のひらの動きもおやつをもらえる動作と記憶しているため、
    そのままオスワリをする。
  3. 犬がオスワリをしたら指示をしていた手とは逆の手で、おやつをあげて褒める

という形になります。

このように「指示する手」と「ご褒美を出す手を分ける」ことで、
「誘導」と「指示」を切り離すことができます。

おやつでの誘導を卒業し、手の指示でも反応できるようになったら、
徐々に手の指示ではなく「言葉」での指示を増やしていくと
「言葉」だけでも指示が通るようになります。

おやつの誘導を使ったトレーニングの注意点

おやつの誘導を使ったトレーニングは、
犬も人もどちらにもわかりやすい方法のため、
一般家庭でも簡単に行えます。

しかし、ずっとおやつを使用した誘導をしていると、
飼い主さん側がおやつに頼りすぎてしまったり、
犬がおやつがないと動作をしなくなる場合があります。

そのためおやつの誘導は徐々に減らし、手の指示への
フェードアウトが必要になります。

おやつでの誘導はあくまで動作を教える“きっかけ”です。
犬が動作を覚えてきたら、おやつでの誘導は減らしていきましょう。

まとめ

犬のトレーニングに使われるテクニック「誘導」
「犬の鼻先におやつを持って行き、手に付いてこさせる」
ことで動作を教えるテクニックです。

誘導は犬への「ヒント」になり、新しい動作を教える際にはとても役立ちます。

しかし、おやつに頼りすぎてしまうと、
おやつがないと指示が出来なくなってしまうことがあります。

おやつを使った誘導は動作を教える初めの段階に行って、
徐々に減らしていくことが大切です。