犬も高齢になると色々な病気になりやすいのですが、「できもの」も高齢になるとできやすくなります。
今回はそんなできものの一つ「表皮嚢胞(ひょうひのうほう)」についてお話しします。
犬の「表皮嚢胞」とは
犬の「表皮嚢胞(ひょうひのうほう)」とは、
本来皮膚から自然に落ちるはずの表皮の脂肪や角質が、
皮膚内の袋に溜まることによってできる良性の腫瘍に分類されるできものです。
別名を粉瘤(ふんりゅう)、アテローム(またはアテローマ)と言います。
数ミリから数センチと徐々に大きくなっていき、多発することもあります。
表皮嚢胞の大きさが大きくなると破裂し、
中からペースト状の老廃物が出てくることがあります。
どの犬種にも発症しますが、シーズーやミニチュアシュナウザーに
比較的多く見られます。
犬の「表皮嚢胞」の症状
犬の表皮嚢胞は無症状のことも多いのですが、
感染や炎症を起こすと赤く化膿し、
嚢胞が破裂すると激しい痛みが出ることがあります。
犬の「表皮嚢胞」の治療方法
犬の「表皮嚢胞」は細胞診という細い針を嚢胞に刺して、
内容物を検査することで確定診断を行います。
表皮嚢胞は細胞診を行うと老廃物が確認され、
生きている細胞はほとんどみつかりません。
多くの場合は、細胞診の際に老廃物の中身を搾り取って
治療終了となります。
症状自体は中身の内容物を絞り出せば治まるため、
小さい物であれば局所麻酔や縫合も必要ありません。
ただし、大きな物や何度も再発を繰り返す物は
根本である膜状の構造物をくりぬくために、
局所麻酔で手術を行うこともあります。
犬の「表皮嚢胞」の予防方法
犬の「表皮嚢胞」は原因不明で起こる症状のため、
予防方法はありません。
表皮嚢胞は命にかかわる症状ではありませんが、
見た目だけでは確定診断できず、細胞診の検査をして初めて確定します。
できものが肥満細胞腫などの悪性腫瘍だった場合は
早期に治療を開始しないと命にかかわります。
ボディチェックを日常的に行い、
怪しいできものがあったらすぐに動物病院に行くようにしましょう。
まとめ
犬の「表皮嚢胞」は犬の皮膚に出来る良性腫瘍の一種です。
命にかかわる症状ではありませんが、
炎症を起こすと痛みが出るため、
動物病院で早めに処置をしてもらいましょう。
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