「疥癬(かいせん)」という皮膚病をご存知でしょうか?
疥癬は人をはじめ多くの哺乳類が感染する皮膚病であり、猫の皮膚病としても存在します。
猫が疥癬に感染すると、一体どのような症状が見られるのでしょうか?
今回は猫の「疥癬」についてお話しします。
Contents
猫の「疥癬」とは?
猫の「疥癬」は寄生虫の一種であるヒゼンダニが皮膚に寄生することで、
激しいかゆみを伴う皮膚炎を起こす感染症です。
ヒゼンダニはとても小さいダニで、肉眼では確認できません。
猫にヒゼンダニが寄生すると、ヒゼンダニは猫の体表に穴を開け、
産卵をし、増殖を繰り返します。
ヒゼンダニによる皮膚への穿孔、排泄物や刺激性分泌物などにより
猫の体に炎症反応が起きます。
すると、炎症に対して猫の免疫細胞が働くのですが、
この免疫細胞の働きが他の神経に対しても刺激を与えてしまうため、
激しい痒みを引き起こしてしまいます。
猫の「疥癬」は人にも感染する?
猫に寄生するヒゼンダニは「ネコショウセンコウヒゼンダニ」と言い、
「猫」に寄生し、繁殖するのですが、
人にも一時的に寄生し、感染することがあります。
人に見られる症状は発疹や強い痒みなどです。
猫のヒゼンダニは人に寄生をしても繁殖しないため、
3週間ほどで死滅します。
猫の「疥癬」の症状
猫の疥癬の症状は
- 激しい痒み
- フケ
- 発疹
- 皮膚の硬化
- 食欲不振
症状の多くは耳から始まり、顔、頭部へと広がります。
抵抗力の低い子猫などは感染が全身に広がります。
疥癬の特徴として激しい痒みがあげられます。
激しい痒みにより、皮膚が炎症を起こし、皮膚が固くなったり、
皮膚を掻きむしることで出血や化膿が見られることがあります。
また、痒みによるストレスで食欲不振になることもあります。
猫の「疥癬」の治療方法
まずは動物病院で疥癬かどうかを診断するために、
皮膚を削り顕微鏡でヒゼンダニや卵を見つけます。
疥癬と診断されたら注射やスポット剤のダニ駆除薬を使用し、
皮膚に炎症を起こしている場合は二次感染を防ぐために、
抗生物質を使用します。
猫の状態に合わせて薬用シャンプーも使用することがあります。
完治するまでには時間がかかりますので、途中で治療を勝手に止めたりせず、
獣医さんの指示にしっかり従うようにしましょう。
猫の「疥癬」の予防方法
猫の疥癬はワクチンなどで予防できる感染症ではありませんが、
感染動物との接触を避けることが予防に繋がります。
- 室内飼育を心がける
- 野良猫に触らない
室内飼育を心がける
猫の疥癬はヒゼンダニに寄生されている猫から感染するため、
他の猫との接触を避けることが予防になります。
室外の猫との接触を避けるために、室内飼育を心がけましょう。
野良猫に触らない
疥癬はヒゼンダニに寄生されている猫と接触することで、
人にも感染します。
また、人が疥癬の野良猫と接触することで、
室内で飼育している猫に感染させることもあります。
野良猫や不衛生な環境で飼育されている猫は、
疥癬予防の観点からは触らないようにしましょう。
まとめ
猫の「疥癬」はとても激しい痒みを引き起こす皮膚病です。
猫から人にも感染し、一時的に痒みなどの症状を引き起こすことがあります。
疥癬の原因であるヒゼンダニとの接触を避けるのが予防方法となります。
感染の可能性の高い野良猫など、不衛生な環境にいる猫との接触は
避けるようにしましょう。
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