2018.02.17 犬の腎不全

早期の治療開始がとても大切！犬の「腎不全」の初期症状を知ろう

腎臓は、尿を作り、不要な老廃物を排泄する器官です。

この腎臓が正常に機能しなくなり、様々な障害が起きることを「腎不全」と言います。

腎臓は一度悪くなると修復不可能な臓器とされ、腎不全の早い段階で治療を開始し進行を遅らせることが最も大切とされます。

初期症状を見つけて、動物病院に連れて行けるのは飼い主さんだけです。

特に腎不全が起きやすくなる高齢のわんちゃんの場合は
これらの症状が出ていないか毎日チェックしてください。

犬の腎不全の初期症状を知っておこう

犬の腎不全の初期症状には

  • 多飲多尿
  • 尿の色が薄くなる、においが減る
  • 食欲低下
  • やせる
  • 口臭がきつくなる
  • 毛ヅヤが悪くなる
  • 嘔吐する

などがあります。

いずれも犬の行動や健康チェックを小まめにしていれば
気付く可能性がある症状です。

特に多飲多尿は飼い主さんがわかりやすい腎不全の症状の一つです。

初期症状に気付き、早い内から腎臓病に適した治療や
食事療法にすることで、
長く上手に腎不全と付き合っていけます。

犬からのサインを見逃さないようにしましょう。

続いては犬の腎不全についてさらに詳しくお話していきます。

犬の腎不全とは

腎臓機能の75%以上を失った状態を腎不全と言います。

腎不全が悪化すると毒素が排泄されずに
尿毒症を引き起こし、死亡することもあります。

老犬になるほど発症しやすく、
老犬の死亡要因の一つと言われています。

犬の腎不全は腎臓のろ過する機能が低下することにより、
体内の毒素が少しずつ多くなっていくため、
症状が出た時には、かなり進行している事が多いのです。
そのため飼い主さんによる早期の発見が特に重要となります。

犬の腎不全の症状について

腎不全には急性と慢性の二種類があります。

急性腎不全

急性腎不全では、尿量が急激に減少したり、
全く出なくなったりするとともに、食欲不振、吐き気や嘔吐、
元気の消失などの症状が現れ、これらの症状は数時間から数日のうちに急速に悪化します。
これを見過ごすと、高カリウム血症や尿毒症を引き起こし、命を落とすことがあります。

慢性腎不全

慢性腎不全は、腎臓の3/4以上の機能がすでに低下した病態で、
この症状は徐々に進行していきます。
初期は尿の色がやや薄くなるほかは、ほとんど無症状です。
しだいに水をよく飲むようになり、その分、尿の量もしだいに増えてきます（多飲多尿）
が、そのほかに目立った症状はありません。
病態がさらに進むにつれ、嘔吐や食欲不振、体重の減少、貧血などの症状が見られます。
最終的には体内の老廃物や毒素を排泄できず
尿毒症におちいり、前述の症状が悪化するだけでなく、
嘔吐や下痢が頻発したり、痙攣や昏睡などの神経症状がみられたりするようになります。

引用：http://www.petwell.jp/disease/dog/jinfuzen.html

 

犬の腎不全の治療方法

犬が腎臓病と診断されると病状の進行具合により、

  • 食事療法
  • 輸液療法
  • 内科療法

が行われます。

病気その物を治す治療ではなく、腎臓の正常に働いている部分の負担を減らし、
病気の進行を抑えることが目的となります。

食事療法

腎臓が悪くなると栄養素の一つである「リン」が溜まりすぎてしまい、
過剰に溜まってしまったリンが腎不全を悪化させるため、
リンを制限したフードである腎不全専用の療法食に切り替えます。

犬の腎不全は老廃物をおしっこの中に排泄する濾過機能が弱るため、
老廃物を輩出しにくくなります。

「タンパク質」は消化の際に老廃物が生じますが、
体を作る大切な栄養素の為、腎不全初期の時点ではまだ制限の必要はありません。

そのため初期の腎不全と進行した腎不全では食事療法が異なります。

輸液療法

輸液療法は点滴により、体内の水分量をあげて尿の量を増やし老廃物を取り除きます。

内科療法

内科療法はリンの吸着剤、毒素を吸着させる薬、などが処方されます。
活性炭が毒素の吸着・排出にとても有効なことから、
良質な竹炭を配合したサプリメントの使用も効果的でしょう。

犬の腎不全と長く上手に付き合うには

  • ストレスを与えないこと
  • 体を冷やさないこと
  • 食事の工夫をすること

まずはあらゆる病気の原因ともいわれるストレスを軽減してあげましょう。
環境の変化や運動不足などはストレスの原因です。

特に引越しや入院など、いつもと住環境が変わることは
犬にとってストレスを感じやすいため、
いつも使っている寝床を用意するなど、
出来る限り環境の変化を感じさせない様に工夫をしましょう。

小さなきっかけで一気に悪化してしまうこともありますので、
落ちついてリラックスできる環境を提供してあげましょう。

体の冷えは腎臓に負担をかけます。
夏場は冷房で冷やし過ぎていないか、
冬場は寒がっていないかを注意しましょう。

嫌がらないようであれば保温のために洋服を着せることも効果的です。

腎不全になると食欲が低下し、食に対して選り好みをすることがあります。
食事をとらないと体力が低下してしまうため、
いくつかの療法食をローテーションしたり、
低リンの新鮮な食材(白身魚など)をトッピングしたり、
食事を上手に工夫していきましょう。

まとめ

腎不全は完治しないため、腎不全が分かった時から
生涯付き合っていかなくてはいけない病気です。

症状の進行に合った食事療法や治療を取り入れ、
進行を少しでも抑えてあげることがとても重要です。

わんちゃんにいつもと違う症状が少しでも見られたら、
早めに動物病院に行きましょう。

特に高齢のわんちゃんの場合は、
動物病院での定期的な健康診断も病気の早期発見に繋がります。

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