犬の「爪」をしっかりと観察したことはありますか?
体の中のパーツからすると、小さい部位なので見逃しがちですが犬によって色が違ったりと、なかなか個性の出る部位だと思います。
今回はそんな「犬の爪」についてお話しします。
犬の爪の役割について
犬の爪はカーブを描くように伸び、固くしっかりとしています。
この爪は犬が走る際に「スパイク」のような役割をします。
犬は野山や雪道などを長時間走り回り、
獲物を追う狩りをしていましたので、
走るための「スパイク」が必要不可欠でした。
ちなみに爪と共にざらざらとして弾力のある肉球も、
走る際の滑り止めと衝撃吸収のためのクッション効果があります。
犬の爪の数
犬の爪の数は通常前足に10本、後ろ足に8本あります。
前足に人間でいう親指の位置にある爪を「狼爪」と言います。
この狼爪は通常前足のみに存在するのですが、後ろ足にも存在する犬がいます。
しかし、後ろ足の狼爪はぶら下がっているだけの状態のものもあり、
その場合は何かに引っかかってケガをしてしまう恐れがあるため、
幼いうちに人為的に切除されることが多いです。
後ろ足の狼爪がスタンダードである犬種の場合は、一般的に切除されません。
犬の爪の色
犬の爪の色は白、黒、濃い茶色というバリエーションがあります。
基本的に「薄い毛色の犬」「肉球がピンクの犬」は「白い爪」、
「濃い毛色の犬」や「肉球が黒や濃い茶色の犬」は
「黒や濃い茶色の爪」が多いようです。
これはメラニン色素の数によって決まります。
犬にとって、爪の色の違いは何の不都合もありません。
成長とともに爪の色が変わることは稀にありますが、
成犬になって突然爪の色が変わったり、
さらに痛がる場合は爪にケガをしている可能性がありますので、
動物病院に行きましょう。
犬と猫の爪の違い
犬と猫の爪は似ているようでかなり違います。
本数は犬も猫も同じなのですが、
形状や出し入れに関してそれぞれ大きな違いがあります。
爪の形状の違い
犬の爪は太く固いですが、猫の爪は細く先がとがっています。
これは犬が走るために重要な爪の作りをしているのに対し、
猫の爪は木を登ったり、獲物や敵を引っかいたりするのに
適しているからと考えられます。
爪の出し入れの違い
犬の爪は出し入れできませんが、猫の爪は出し入れできます。
これは犬と猫の狩りの仕方に違いがあるためです。
犬は長く走って獲物を捕まえる狩りを行うため
常に爪が出ていた方が効率が良いです。
一方猫は、待ち伏せをして一気に獲物を襲う狩りを行うため、
必要な時以外は爪をしまえた方が消音効果や摩耗防止が期待できるのです。
猫科の動物では、走ることに特化したチーターのみ爪を出し入れできません。
犬の爪切りについて
犬の爪は歩くと摩耗して自然と短くなるのですが、
小型犬などは体重が軽くなかなか擦り減らないことがあり、
また散歩時間が短かったり、柔らかい場所を歩いている場合は
擦り減らずにどんどん伸びてしまいます。
爪が伸びすぎてしまうと、巻爪になって肉球に刺さったり、
フローリングなどで滑りやすくなってしまうので
定期的に切る必要があります。
白い色の爪の場合は血管が見えるため、血管の手前までを切れば良いのですが、
濃い色の爪の場合は肉眼で血管を見る事が出来ないため、爪切りがかなり難しいです。
濃い爪を切る場合は少しずつ切るようにし、
爪の先端が柔らかくなり、しっとりとしてきたら血管が近い合図なので
そのあたりで切るのを止めるようにすると、出血しません。
難しい場合は動物病院やトリマーさんにお願いしましょう。
まとめ
犬の爪は犬にとって走るために必要不可欠なことが分かりましたね。
定期的に切ってあげたり、割れるなど異常がないかのチェックをし、
大切な爪のケアを怠らないようにしましょう。
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