猫の「肉球」はプニプニとしていてかわいく、チャームポイントの一つですね。
この肉球ですが、かわいいだけではなく、
猫にとっては生きる上で重要な役割がたくさんあるのです。
そこで今回は猫の肉球について詳しくお話していきます。
Contents
猫の肉球の正式名称について
「肉球」は多くの哺乳類の足裏に存在している、
毛の生えていない柔らかい部分のことを言いますが、
実は部位ごとに名称が存在します。
前足
- 真ん中にある一番大きい肉球=掌球(しょうきゅう)、
- 指の部分にある=指球(しきゅう)
- 人間でいう親指の部分にある=狼爪(ろうそう)
- 前足の手首の位置にある=手根球(しゅこんきゅう)
後ろ足
- 真ん中にある一番大きい肉球=足底球(そくていきゅう)
- 指の部分の肉球=趾球(しきゅう)
手根球の部分にはヒゲと同じような硬い毛が生えています。
猫の肉球の色の秘密
猫の肉球はピンクのイメージが強いですが、
実は様々な色が存在します。
- 白猫=薄いピンク色
- 茶トラ猫=濃いピンク色
- キジ猫=濃い茶色
- 黒猫=濃い小豆色~黒色
- 三毛猫やサビ猫=上記の単色、または混色
というように毛色によって異なります。
基本的には毛色が薄い場合は肉球の色も薄く、
毛色が濃い場合は、肉球の色も濃くなります。
また、白黒猫のように白色と他の毛色が混ざっている場合は、
ほとんどピンクなのに一部だけ濃い小豆色…というように
個性的な色の組み合わせの肉球を持つ猫も多いです。
猫の肉球の構造について
猫の肉球はとてもプニプニとしています。
このプニプニは一体何なのでしょうか?
猫の肉球は表皮(ひょうひ)という厚い角質層で覆われていて、
その下にコラーゲンなどで形成される真皮(しんぴ)があり、
さらにその下には脂肪を多く含んだ網目状の弾性繊維が存在します。
この弾性繊維がプニプニの正体です。
猫の肉球の役割
- クッション性が高い
- 汗をかくことができる
- センサーの役割
クッション性が高い
肉球はとても弾力があり、クッション性が高いです。
そのため、獲物を捕まえる際に音を立てずに近づくことができます。
また、高いところから飛び降りた時の衝撃を和らげることもできます。
汗をかくことができる
猫の肉球は全身で汗をかかない猫が、汗をかくことのできる部位です。
部位が小さいため放熱の効果はほとんどありませんが、
汗をかくことで滑り止めの役割があると考えられています。
センサーの役割
肉球の部位である手根球の近くにはヒゲのような硬い毛が生えているのですが、
この毛がセンサーの役割をして、足元の危険を察知することができます。
猫の肉球と犬の肉球違い
猫の肉球と犬の肉球、見た目は同じ肉球ですが何か違いはあるのでしょうか?
双方の肉球を触ってみるとその違いがよくわかるのですが、
猫は肉球の表面が薄く、ツルツルで柔らかいのに対して、
犬は肉球の表面が厚く、ガサガサしていて硬いです。
この違いは、猫と犬の生態の違いが関係しています。
狩りのスタイルの違い
猫の狩りは「獲物に音を立てずに忍び寄り、一気に襲い掛かる」スタイルですが、
犬の狩りは「様々な地形を長く走り、獲物を追いつめる」スタイルです。
そのため、猫は消音性に特化した柔らかいクッションのような肉球を持ち、
犬は滑り止めの役割が高いガサガサとした硬い肉球を持っているのです。
生活環境の違い
猫の祖先は暖かく雪が降らない地方に住むリビアヤマネコ、
犬の祖先は寒く雪の降る地方に住むオオカミと考えられています。
暖かい地方に住むリビアヤマネコは雪に対する滑り止めが必要なく、
オオカミは滑り止めの役割が高い肉球が必要でした。
そのため、猫の肉球はツルツルとなり、
犬の肉球はガサガサになったと考えられています。
子供の時はどちらもツルツル
実は、猫も犬も子供の時はどちらもツルツルでプニプニの肉球をしています。
犬は散歩に出て外を歩き回るようになると
少しずつ硬く、丈夫な肉球へと進化していきます。
散歩に全く出ない犬は柔らかい肉球のままです。
猫は外に出ても、樹上などにいることが多いので、
犬ほど硬い肉球にはなりませんが、
外に出る猫は室内飼育の猫より、硬い肉球になる様です。
猫の肉球のケガに注意!
肉球は厚い角質層で覆われてはいますが、
尖った物を踏んだりすればケガをしてしまいます。
肉球は構造上、ケガしたら治りにくい傾向にありますが、
その理由は下記の4つのためです。
- 脂肪と繊維組織が張りつめているので傷が開きやすい
- 血管が少なく肉が盛り上がりにくいため、傷口を塞ぎにくい
- 体重により傷が開く
- 傷口を猫が舐めてしまう
肉球に傷が付かないように床に置いている物に注意したり、
もし傷がついてしまった場合は、傷口を舐めないように
エリザベスカラーなどで対処しましょう。
まとめ
とても愛らしい肉球ですが、
猫にとっては重要な役割があることが分かりましたね。
肉球を触るとぷにぷにして気持ち良く、
上手にマッサージできれば猫もうっとりすることもありますが、
触られるのを嫌がる猫もいますので、注意しましょう!
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