問題行動!?犬がマウンティングをする理由

犬が飼い主さんの足にしがみつき、腰を振る行動をすることがあります。
この行動は「マウンティング」と言われる行動です。
飼い主さんにとってはしがみつかれて痛いので、好ましい行動ではありませんが、犬は一体どうして「マウンティング」をするのでしょうか?

犬の「マウンティング」とは?

犬の「マウンティング」とは相手に前足でしがみき、腰を振る本能的な行動です。

これはオス犬がメス犬に対して交尾時に行う動きですが、
犬同士の社会的なコミュニケーション行動の一つでもあります。

マウンティングを行うのはオス犬が多いですが、メス犬も行うことがあり、
頻繁に行う犬もいれば、全く行わない犬もいます。

気の弱い犬よりは気の強い犬の方が行いやすく、
マウンティングを始める月齢は6ヶ月ぐらいからと言われます。

犬がマウンティングをする理由

犬同士でマウンティングをする理由

犬同士のマウンティングは「自分の強さを相手にアピールする行動」
「社会的なコミュニケーションの一つ」と言われます。

犬の祖先と言われるオオカミは、群れの中で上下関係が存在します。
群れの中でケンカをせずに上下関係を確認する方法として、
マウンティングがよく見られます。

犬も子犬の時に遊びの中でこの行動を社会的なコミュニケーション方法として学び、
犬同士の不要なケンカを避けるようになるのです。

ただし、子犬の時に犬同士のコミュニケーションが学べなかった犬の場合は、
マウンティングがケンカのきっかけとなってしまったり、
マウンティングをしてきた犬に対して恐怖心を抱くことがあります。

そのため、ドッグランや散歩中の挨拶の際にしつこくマウンティングをするようであれば
すぐに止めさせるようにしましょう。

また、オス犬が発情期のメス犬に対してマウンティングを行う場合は
性的な交尾行動となりますので、子犬を望まない場合はさせないようにしましょう。

犬が人に対してマウンティングをする理由

  • 正しい関係が築けていない
  • 遊んでほしい
  • ストレス

普段から犬の要求に応えていたり、甘やかすなどすると、
人との正しい関係が築けず、誤った行動として、
マウンティングをすることがあります。

最近の考えでは、犬は人との上下関係をあまり気にしていないと考えられているため、
人に対するマウンティングは強さの誇示と言う意味よりも、
遊びの要求や、興奮、ストレスが溜まっている時に行うことが多いようです。

犬がぬいぐるみに対してマウンティングをする理由

人や犬以外にも、ぬいぐるみなどのおもちゃに対してマウンティングをする犬がいます。
この場合は

  • ぬいぐるみを独占したい
  • 性的な興奮
  • 遊びの延長
  • ストレス解消

などが理由として考えられています。

相手がぬいぐるみであれば実害がないため、問題のない行動に見えますが、
あまり習慣的になりすぎると人や犬に対してもマウンティングを起こしやすくなるため、
名前を呼んで、興味の対象を他に移すなどしましょう。

人に対するマウンティングを止めさせるには

人に対するマウンティングは、見た目にもあまり良い行動ではありませんし、
しがみつかれた際の痛みや、飛びつきからの転倒など問題行動になりがちです。
本能的な行動でもあるため、止めさせることは難しいですが、
出来るだけマウンティングは止めさせるようにしましょう。

マウンティングを止めさせるために効果の期待できる方法は

  • 反応をしない
  • リードコントロールを行う
  • 犬をコントロールできるようにする
  • 去勢をする

などです。

反応をしない

多くの人が犬にマウンティングをされると声を出して反応をしてしまいますが、
犬はこの反応を楽しんでしまいます。
そのため、声を出さずに足を振りほどいて別の部屋に行くなど、
完全無視をするようにしましょう。

リードコントロールを行う

犬がマウンティングをしようとした際にリードを持っていると
すぐに止めさせることができます。
室外ではもちろん、室内でもあまりにコントロールできない場合は、
リードを付けて犬を止めることから始めてみましょう。
軽くショックを入れると止めやすいです。

犬をコントロールできるようにする

マウンティングは犬が興奮している時に起きやすい行動です。
そのため、普段から犬を興奮させないようにオスワリやマテなどの
基本的なトレーニングを行いましょう。

トレーニングを行うと犬自身も落ち着きを覚えるため、
マウンティングをしなくなっていきます。

また、普段の接し方(甘やかしていないか、要求に応えすぎていないか)も
見直すようにしましょう。

去勢をする

オス犬の場合は去勢をすることで、マウンティングを減らす効果が期待できますが、
犬をコントロールできない場合は去勢後も行うことがありますので、
上記の方法と合わせて行うことが良いでしょう。

まとめ

マウンティングは犬にとっては本能的な行動であり、
犬同士のコミュニケーションにもなる行動ということが分かりました。

遊びの延長や見知った犬同士、社会性のある犬同士で行う場合は問題ないのですが、
犬によってはマウンティングがケンカのきっかけとなることがあるため、
知らない犬同士が集まるドッグランなどでは特に注意が必要です。
(ドッグランでも注意・禁止事項としてマウンティングが指定されていることがあります)
犬の行動はしっかり見守るようにしましょう。

人に対して行う場合は迷惑をかける行為ですので、
止めさせるようにしましょう!