犬の「悪性リンパ腫」の初期症状には
食欲不振や元気消失などの症状が見られるため、
飼い主さんからすると「ただの体調不良」「すぐに治るだろう」と判断をしてしまいがちですが、放置してしまうとすぐに亡くなることもある恐ろしい病気です。
早期発見、早期治療が望ましい病気ですので
飼い主さんの判断がとても重要になります。
では悪性リンパ腫を飼い主さんが早い段階で見つけるためには、
どのようなことを心がければ良いのでしょうか?
犬の悪性リンパ腫を早期発見するには
- 毎日のボディチェック
- 健康チェック
犬の悪性リンパ腫を早期発見するために重要なことは、
愛犬の毎日のボディチェックと、健康チェックです。
体全体のボディチェックをしながら、
優しく撫でて、マッサージをしてあげること…
これはわんちゃんとのコミュニケーションにもなりますし、
悪性リンパ腫に見られる症状の一つである「リンパの腫れ」を
飼い主さん自身で見つけられる可能性があります。
お散歩後のリラックスタイムなどに、
全身をマッサージしながらのボディチェックを、ぜひ行ってあげてください。
悪性リンパ腫以外にも皮膚の異常などのチェックもできますし、
マッサージ自体も血流を良くするなどの効果が見られます。
マッサージと共に毎日の健康チェックを行いましょう。
目・耳・鼻など顔周りの様子、排泄物などの様子、
食欲はあるか、歩行の様子など、
毎日の健康チェックで良好な健康状態を知っておくと、
異常が見られたときにすぐにわかります。
普段の愛犬の状態を知っておくことが
愛犬の異常事態の早期発見に繋がるのです。
リンパは感染症などでも腫れることがありますので、悪性リンパ腫ではない可能性もあります。
飼い主さんが安心するためにも、早期治療をするためにも
不安な症状があったらためらわずに病院に行くようにしましょう。
そもそも犬の悪性リンパ腫とは?
犬の「悪性リンパ腫」とは白血球の一種である
「リンパ球」がガン化する病気です。
血液の細胞であるリンパ球がガン化するので、
体全身にガンが発生する可能性があります。
発生する部位によって
- 多中心型
- 胸腺型
- 皮膚型
- 消化器型
- 節外型
に分類されます。
犬の中で一番多いのは「多中心型」の悪性リンパ腫で
全体の8割を占めます。
犬の悪性リンパ腫の症状
悪性リンパ腫の症状は型によって異なるため、
一見すると別の病気と思えてしまうことがあります。
特徴としては「リンパの腫れ」が見られるので
全身状態の確認、リンパ節の触診などから
診断をしていきます。
多中心型
下あごやわきの下、股の内側などの体表のリンパ節が腫れ、
食欲の低下や元気消失等が見られます。
症状が進むと動きたがらなくなり、嘔吐や下痢、
免疫力の低下から様々な感染症も併発します。
胸腺型
呼吸の異常、咳やチアノーゼなどが見られます。
皮膚型
皮膚に腫瘍として現れ、出来物や紅斑、脱毛などが見られます。
脂肪腫や肥満細胞腫と似ているため区別が付きにくいです。
消化器型
消化管のリンパ組織やリンパ節が腫れて、下痢やおう吐
食欲不振などの症状が見られます。
節外型
眼、中枢神経系、骨、精巣、鼻腔などから発生するものを含む、
非常に稀なタイプです。
悪性リンパ腫の治療方法
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
- 外科手術
多くは、抗ガン剤などの化学療法を行います。
腫瘍の部位によっては外科手術を行うこともありますが、
リンパ腫は全身性のガンのため
化学療法を併用することが一般的です。
悪性リンパ腫は比較的、抗がん剤の効果が出やすいガンと言われており、
早期の治療はとても効果的とされますが、
抗ガン剤は副作用も見られる治療のため、
愛犬の状態を見ながらの治療となります。
悪性リンパ腫自体は完治することはありませんが、
治療をすると一時的に症状が出なくなった状態である「寛解」になることがあります。
「寛解」はその後再発する可能性がある状態ですが、
その時期は1ヶ月後か1年後か…それはわかりません。
しかし、それだけ愛犬と長く過ごせる時間が増えることになります。
獣医さんと、愛犬の状態や治療法を相談しながら
悪性リンパ腫と上手く付き合っていきましょう。
犬の悪性リンパ腫を予防するには…?
悪性リンパ腫に対しての予防方法は残念ながらありませんが、
多くのガンの原因とも言われる「ストレス」を軽減させることで、
発症リスクを下げることはできます。
犬のストレスは「運動不足」「生活環境」「コミュニケーション不足」
などが原因とされます。
また、良質な食材を使用した栄養バランスのとれた食事や、
免疫力を高めるサプリメントを与えることも、
「病気になりにくい体作り」にはとても重要です。
これらを意識して、愛犬と過ごすように心がけてみましょう。
まとめ
悪性リンパ腫と診断されてから、何も治療を行わないと死亡率は高い病気ですが、
早期発見・早期治療で上手くわんちゃんと共存できる可能性のあるガンです。
悪性リンパ腫で余命宣告をされたのに、その後何年も元気に生活できているわんちゃんもいます。
獣医さんと治療の方針をよく話し合い、悪性リンパ腫と向き合っていきましょう。
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