犬同士の言葉「カーミングシグナル」とは?

人は主に「言葉」を使いコミュニケーションしますが、
犬は主に「ボディランゲージ」を使いコミュニケーションをします。

犬のボディランゲージは尻尾を振ったり、耳を伏せたり、体の色々な部分を使って行います。

このボディランゲージの中で特に「相手や自分を落ち着かせるための行動」「カーミングシグナル」と言います。

今回はこの「カーミングシグナル」についてお話をします。

犬同士の言葉「カーミングシグナル」とは?

イヌ科の動物であるオオカミは群れで暮らすため、
コミュニケーションをとても大切にしています。

特に群れで闘争が起きると
「相手を落ち着かせる」「なだめる」行動を取ります。

これは群れの統率が乱れると、群れで行う狩りや、
生存自体に影響が出るためです。

この行動をノルウェーのドッグ・トレーナー、
ツリッド・ルーガス(Turid・Rugaas)が
「カーミング(落ち着かせる)シグナル(信号)」と名付け、
現在では27種類に分類されています。

オオカミと同様、犬も不要な争いを避けるためにこの行動をします。

また、カーミングシグナルは「相手」だけでなく
「自分」を落ち着かせるためにも行います。

犬の「カーミングシグナル」の仕草

カーミングシグナルは27種類に分類されていますが、
その中から特に普段よく見られる4つの仕草をピックアップしてお話しします。

あくび

犬も人間と同じように眠い時にあくびをしますが、
緊張が高まり、ストレスを感じた時にもあくびをします。

例えば、いたずらをした犬を叱っている時にあくびをすることがあります。

この行動を「全然反省をしていない!」と言う飼い主さんがいますが、
犬にとっては「ストレスを感じている」「やめてほしい」という
意味になります。

においを嗅ぐ

ドッグランのようなたくさんの犬がいる場所で、
地面のにおいをずっと嗅いでいる場合は
「自分は周りと関係ない」「無関心」を表すカーミングシグナルとなります。

群れとの争いを避けるために「無関心」を表しているのです。

横を向く(視線を合わせない)

犬同士の挨拶で目を合わせる行為は「攻撃」の合図となるため
視線を合わせないことは「争いを避ける」という意思表示になります。

犬同士の挨拶は正面から行かず、カーブを描く様にゆっくり近づきますが、
これらの動きもすべて争いを避けるためのカーミングシグナルです。

2頭の犬の間をさく

ドッグランなどで今にもケンカをしそうな2頭の犬の間に、
割り入るように1頭の犬が入る時があります。

この犬の行動は2頭の犬に落ち着くように、合図を送っています。
群れでの闘争を防ぐための行動ですね。

家庭だと夫婦喧嘩をしていると間に犬が入ってくる!なんてことがありますが、
これは「落ち着いて」という合図と考えられます。

犬の「カーミングシグナル」を理解すると出来ること

犬のカーミングシグナルを理解できると

  • 犬のストレス
  • 犬の気持ち
  • 犬との接し方

が分かるようになります。

犬がストレスを感じたり、何かやめてほしいことを訴えて
カーミングシグナルを出している場合、
その状況や環境を改善することで、犬のストレスを解消できます。

また、犬同士の挨拶であるカーミングシグナルの行動
【視線をそらす、カーブを描く様に近づく】は
人と犬の挨拶にも応用できますので、
初対面の犬に不安を与えない「正しい挨拶」が行えます。

まとめ

犬のカーミングシグナルは何気ない仕草の一つに見えますが、
犬たちにとっては「争いを避けるため」「自分や相手を落ち着かせるため」
行っている意味のある行動ということが分かりましたね。

犬がカーミングシグナルを使って私たちに何を伝えたいのか、
少しでも理解できると、より絆も深まると思います。