「ウィペット」はスレンダーで筋肉質な犬種です。「最速犬競技会」で優勝する個体がいるなど非常に速さに優れています。
今回は「ウィペット」についてお話しします。
「ウィペット」について
ウィペットはイギリス原産の中型犬で、視覚を頼りに獲物を追う
サイトハウンドのグループに属します。
犬種名は走る姿が鞭(whip)のようにしなやかなことや、
鞭で打たれた競走馬のように走ることから、
ウィペット(Whippet)と名付けられたと言われています。
ウィペットの起源は17世紀頃に作出された中型のグレーハウンドと言われています。
農民が大型のグレーハウンドを貴族から買い取り、
小型犬を交配することで中型のグレーハウンドを作出しました。
この犬はグレーハウンドと同じように足が速く、庶民が飼育しやすいサイズだったこともあり、
畑を荒らしていたウサギを追い払うのに重宝されました。
19世紀になるとイギリスでグレーハウンドを使ったドッグレースが流行し、
この中型のグレーハウンドも庶民のドッグレースで使用されるようになります。
ドッグレースで活躍するためにマンチェスターテリアなどのテリア種を交配した結果、
現在のウィペットとほぼ変わらない容姿になりました。
1891年にイギリスケネルクラブに「ウィペット」として登録されると、
スレンダーで美しい容姿を持つことから、ドッグショーでも人気の犬種となりました。
ウィペットはグレーハウンドとイタリアングレーハウンドの中間ぐらいのサイズで、
大きさ以外はこの3犬種の容姿は非常によく似ています。
毛色は様々な色が認められていますが、代表的な毛色は
レッド、フォーン、ブリンドル、ブルー、ブリンドル&ホワイト、ブルーブリンドル&ホワイトなどです。
「ウィペット」の性格と飼い方
ウィペットは落ち着いた性格で、滅多に吠えることはありません。
飼い主に忠実で、自立心旺盛なサイトハウンドの中ではしつけやすいと言われます。
繊細な面があるので、強く叱るようなしつけは不向きです。
良い行動をしたら褒める、陽性強化のトレーニングが向いています。
ウィペットは走ることが大好きで、時速55km程の速さで走ることができます。
散歩時に軽く走る運動を入れたり、ドッグランを利用するなどして
走る欲求を満たしてあげるとよいでしょう。
ウィペットの被毛は短いシングルコートで手入れに時間はかからず、
抜け毛や体臭が少ないという特徴があります。
寒さに極端に弱く、冬場は体調を崩しやすくなります。
室温をしっかり管理し、外出の際は服を着せるようにしましょう。
「ウィペット」のなりやすい病気
ウィペットは下記の病気になりやすいと言われます。
- 皮膚疾患
- 白内障
- 骨折
被毛が短く薄いウィペットは、皮膚をバリアしてくれる被毛も少ないため、
膿皮症やマラセチア性皮膚炎、アトピーなどの「皮膚疾患」になりやすいと言われます。
皮膚に赤みが見られたり、痒がる場合は獣医さんに相談しましょう。
ウィペットは「白内障」が中年齢以降から比較的起きやすいです。
目に白濁がないか、チェックを欠かさないようにしてください。
病気ではないですが、ウィペットは「骨折」しやすい犬種です。
高速で走るとカーブや急停止の際に骨や靱帯に負担が大きくかかり、骨折することがあります。
ドッグランなどでは、無理な速度で走らせないようにしましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
ウィペットの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
ウィペットはイギリス原産の中型のサイトハウンドです。
筋肉質でスリムな体のウィペットは運動神経抜群で、
時速55km程の速さで走ることができます。
高速で走ると、急停止やカーブの際、足に負担がかかります。
ドッグランで怪我をしやすいので、注意をしましょう。
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