グレーの被毛が美しい!「ワイマラナー」について

ワイマラナーはグレーの被毛や目の色がとても美しい犬です。

今回はワイマラナーについてお話しします。

「ワイマラナー」について

ワイマラナーはドイツ原産の大型犬です。

ワイマラナーはドイツ・ワイマール地方の狩猟を好んだ
カール・アウグスト大公によって作出された猟犬で、
犬名のワイマラナーは原産地のワイマールが由来です。

大公は完璧な猟犬を求めて、1890年頃からジャーマン・ポインターや
ハンガリアン・ビズラなどの猟犬を掛け合わせ、
ワイマラナーを作出したとされます。

ワイマラナーは、小型動物から大型動物の狩猟まで幅広く使われ、
狩猟時の役回りもポインティング(獲物の位置を教える)から
フラッシング(獲物を追い出す)、レトリービング(回収)まですべてをこなすなど
まさに“オールラウンダーの完璧な猟犬”として重宝されました。

優秀な猟犬であるワイマラナーは容姿が美しいこともあり、
貴族などの上流階級のみが飼育を許可された犬でした。

19世紀前半には“ワイマラナークラブ”が設立されたことで、
ワイマラナーの繁殖は会員である貴族たちにより厳格に管理され、
ドイツ外に出ることのない「門外不出の犬」とされました。

その後、ドイツのワイマラナークラブ会員と親しい
アメリカの狩猟家ハワード・ナイト氏が
ワイマラナークラブへの入会を許可されたことで、
ワイマラナーはアメリカへ渡ることになりました。

ナイト氏が1929年に輸入したワイマラナーはクラブの制限により
繁殖能力のない個体でしたが、その10年後にはクラブから
繁殖能力のあるワイマラナーが送られ、ついにドイツ以外の国で
ワイマラナーの繁殖が始まりました。

ワイマラナーはアメリカのケネルクラブで公認されると
イギリスでも輸入されるようになり、人気犬種となりました。

特徴的なシルバーグレーの被毛を持ち、琥珀色や青みがかった色の目をした
神秘的な姿のワイマラナーは「灰色の幽霊(グレーゴースト)」と
呼ばれることもあります。

ワイマラナーの毛質は短毛ですが、長毛も少数存在し、
一部のケネルクラブ以外では、短毛も長毛もワイマラナーとして認められています。

「ワイマラナー」の性格と飼い方

ワイマラナーは活発で賢く、好奇心旺盛な性格です。
動く物に反応しやすいので、小型動物との同居はお勧めできません。

ワイマラナーは豊富な運動量を必要とする犬種です。
十分な運動ができない場合は、ストレスから問題行動を起こしたり
尻尾を嚙むなどの自傷行為をすることもあります。

運動はワイマラナーとのコミュニケーションにもなりますので
運動時間を確保できない環境下での、飼育は難しいでしょう。

短毛のワイマラナーは寒さに非常に弱いです。
冬場は暖房を使うなど温度管理をしっかりと行いましょう。

「ワイマラナー」のなりやすい病気

ワイマラナーは下記の疾患になりやすいとされます。

「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを起こしてしまう疾患です。
大型犬がなりやすいのですが、ワイマラナーは
胸が深い(胸骨と背骨の間が長い)骨格のため、特に胃捻転を起こしやすい犬種とされます。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。

「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる、
大型犬によく見られる病気です。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
ワイマラナーの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

ワイマラナーはドイツ原産の大型犬です。

万能な狩猟犬として活躍したワイマラナーは
シルバーグレーの被毛がとても美しく、
とても神秘的な雰囲気が漂います。

運動不足になるとストレスが溜まって
問題行動を起こしやすくなるので気を付けましょう。