たるんだ皮膚に小さな目、大きなマズルを持つ超個性派な犬が「シャーペイ」です。
日本であまり見かけることはありませんが、独特な容姿から根強いファンのいる犬種です。
今回はシャーペイについてお話しします。
「シャーペイ」について
シャーペイは中国原産の中型犬で、名前の由来は
中国語の「沙皮(シャーペイ)」=「砂のようにざらざらした皮膚」から来ています。
シャーペイはとても古い犬種で、紀元前200年頃には広東省にいたと推定され、
容姿からマスティフ系の犬やハンドッグ(絶滅種)などの血を引いていると考えられています。
ちなみにシャーペイと姿の似ているチャウチャウは、起源が同じと言われます。
シャーペイは荒い直毛に独特のたるんだ皮膚や青い舌を持っているのが大きな特徴です。
闘犬や食肉犬など様々な用途で飼育されましたが、
たるんだ皮膚は闘犬として非常に有利だったため、特に闘犬種として活躍していました。
その後、ヨーロッパなどからより強い闘犬種が輸入されるとシャーペイの人気は低迷しました。
さらに1949年に中国の思想統制により“犬の飼育は西洋の退廃した習慣”とみなされると、
多くの犬が殺処分され、シャーペイの数は減ってしまいました。
シャーペイは香港でわずか60頭ほど生き残っており、
香港やマカオ、台湾のブリーダーたちや
シャーペイの容姿を気に入ったアメリカのブリーダーが繁殖したことで、
何とか数を回復することが出来ました。
被毛はざらざらとした短毛、毛色はフォーン、ブラック、ブラウンなど様々です。
特徴的な皮膚のたるみは子犬の時の方が多く、成長と共に減少します。
「シャーペイ」の性格と飼い方
シャーペイは落ち着いた性格で、あまり感情を表に出しません。
信頼した飼い主に対しては愛情深いですが、他人に対しては警戒しやすい面があります。
シャーペイは穏やかな性格になるように犬種改良されてきましたが
闘犬としての歴史が長く、気性の荒い系統も残っているため扱いが難しい犬種です。
頑固で自立心も強いため、トレーニングを根気良く行い
信頼関係を上手に築いていく必要があります。
短毛のため被毛の手入れは難しくありませんが、皮膚のたるみに汚れが溜まりやすいので
定期的に拭き取るようにしましょう。
「シャーペイ」のなりやすい病気
シャーペイは数を増やすために近親交配を行った時期があるため、遺伝性疾患が多い傾向にあり、
なかでも下記の疾患が多くみられます。
- 皮膚疾患
- 眼病
- 家族性シャー・ペイ熱
シャーペイは皮膚が弱く、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの
「皮膚疾患」を発症しやすい犬種です。
皮膚のたるみを発生させている遺伝子が、特定の皮膚疾患を発症させやすくするという
研究結果もあり、皮膚の健康管理には気を付ける必要があります。
シャーペイは眼瞼内販症やチェリーアイ、緑内障などの「眼病」が起きやすいです。
目の赤みや濁り、目ヤニや涙の量などを毎日チェックするようにしましょう。
「家族性シャー・ペイ熱」はシャーペイにだけ見られる免疫介在性疾患で、
かかとや関節が腫れたり、炎症性腸疾患など複数の炎症性の病気が見られます。
この疾患はシャーペイの皮膚のたるみを発生させている遺伝子に関連しており、
不明な点が多く、治療法などは見つかっていません。
気になる症状が見られたら獣医さんに相談してください。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
シャーペイの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
シャーペイは中国原産の中型犬です。
皮膚のたるみや小さな目、大きなマズルという
とても個性的な容姿をしているのが特徴です。
シャーペイはユニークな表情から大人しそうに見えますが、
闘犬として飼育されてきた歴史が長く、かなり気の強い個体もいます。
しつけに関しては難易度の高い犬種ですので、
トレーニングはしっかりと行うようにしましょう。
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