モップのような姿の「プーリー」は牧羊犬の中でもかなり個性的な犬種です。
今回は「プーリー」についてお話しします。
「プーリー」について
プーリーはハンガリー原産の中型犬で、ハンガリー語でリーダーという意味があります。
プーリーは1000年以上前に中近東の遊牧民によってハンガリーに持ち込まれた犬と言われています。
プーリーの一番の特徴は一見モップやドレッドヘアのようにも見える
「コーデッドヘア」と呼ばれる縄状の被毛です。
分厚く防水性が高いこの被毛は紫外線や雨風、寒暖差などの厳しい気候や、
外敵であるオオカミの牙から身を守る役目があります。
ちなみにプーリーと同じコーテッドヘアを持つ
コモンドールという大型犬種もおり、姿がとても似ています。
プーリーが家畜をまとめたり、周囲の警戒を担当し、
コモンドールが外敵を撃退するなどコンビを組んで作業をしていました。
プーリーは主に牧羊犬として活躍しましたが、水に落ちた獲物を運ぶ
「レトリーブ作業」もこなすなど、優秀な作業犬としてハンガリーの遊牧民たちに
”年収に匹敵するぐらいの価値がある犬”と評価されたと言われています。
毛色は主にブラックですが、ホワイト、グレー、クリームも存在します。
子犬の頃の被毛はウェーブ状ですが、成長と共にアンダーコートがオーバーコートに
絡まるように伸びていき縄状の被毛になっていきます。
「プーリー」の性格と飼い方
プーリーはとても賢く、好奇心旺盛で活発な犬種です。
自分で判断し、仕事をする牧羊犬種のため我の強い一面があります。
根気強くメリハリをつけたトレーニングを行い、信頼関係を築くようにしましょう。
プーリーは重たいモップのような被毛が生えているため
あまり動かないイメージがありますが、活動的で運動神経は抜群です。
しっかりと散歩を行い、ドッグランなどを利用して運動欲求を満たすようにしましょう。
プーリーの被毛のお手入れはとても特殊で、
ブラッシングを行うと縄状の被毛がほぐれてしまうためブラッシングを行いません(※)
(※被毛が縄状になっていないパピー期を除く)
被毛は付けおき洗いをするなどシャンプーの仕方も独特です。
プーリーはかなり特殊な被毛を持つ犬種のため、トリミングできる人が限られます。
お手入れの仕方をブリーダーさんに相談するようにしてください。
個性的な被毛を維持するには家でのケアがとても大事になります。
お手入れに時間をかけられる人向きの犬種と言えるでしょう。
「プーリー」のなりやすい病気
プーリーは下記の疾患になりやすいとされます。
- 皮膚疾患
- 進行性網膜萎縮(PRA)
プーリーは分厚い特殊な被毛を持つため、
皮膚が蒸れて細菌性の皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの「皮膚疾患」を起こしやすいです。
皮膚に赤みが出ていないか、痒がっていないかなどしっかりチェックするようにしましょう。
プーリーは「進行性網膜萎縮(PRA)」が見られやすい犬種と言われます。
PRAは眼の奥にある網膜が変性・委縮し、
最終的には両目とも失明してしまう遺伝性の病気です。
治療方法や予防方法が確立されていないため、
発症すると最終的には失明してしまいます。
PRAは遺伝子検査により、発症リスクの有無を調べることができます。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
プーリーの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
プーリーはハンガリー原産の牧羊犬です。
モップのような分厚い被毛がとても印象的です。
プーリーの特徴であるコーテッドヘアを維持するには時間もコストもかかります。
プーリーのことをしっかりと知ったうえで飼育の決断をしましょう。
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