一度見たら忘れられないカットが特徴的な「ベドリントンテリア」。日本ではまだ珍しい犬種です。
今回はベドリントンテリアについてお話しします。
「ベドリントンテリア」について
ベドリントンテリアはイギリス原産の小型テリアです。
名前の由来はイングランド北西部のノーサンバーランド州にある
炭鉱の町ベドリントンからきています。
ベドリントンテリアの起源は不明とされていますが、
ダンディディンモントテリアやオッターハウンドなどを交配して作出されたという説が有力です。
1825年にベドリントンテリアという犬種名が与えられるまでは
ロスベリーテリアやノーザンバラードフォックステリアなどと呼ばれていました。
ベドリントンテリアはベドリントン市周辺に住む炭鉱労働者のペットとして愛されたり、
イタチやカワウソ狩りの猟犬として飼われていました。
また、気の強い性格から闘犬として使われていたという歴史もあります。
ベドリントンテリアは1870年にドッグショーに初めて出陳され、
1877年にはナショナル・ベドリントン・テリア・クラブが創立されると、
さらに改良が続けられ犬種として洗練されていきました。
ベドリントンテリアのカットは、元々狩りで邪魔になる被毛を
カットするという実用的なスタイルでしたが、
1877年に家庭犬として美しく見せるための上品なスタイルへ変化しました。
このカットは頭部に被毛を残し、耳にタッセル(房飾り)がある個性的なカットで、
全体を見ると子羊のように見えます。
カットの雰囲気から一見大人しく見えますが、
テリア種独特の気の強さがあることから子羊の皮を被ったオオカミと呼ばれることもあります。
足が長く、骨格はアーチ状をしており、テリアというよりは
イタリアングレーハウンドのような体型をしています。
毛色はブルー、レバー、サンディー、ブルー&タン、レバー&タン、サンディー&タンです。
「ベドリントンテリア」の性格と飼い方
ベドリントンテリアは活発で、運動能力が高く賢い犬種です。
優雅で大人しそうな外見をしていますが、勇敢でとても気が強く、
他犬に対して攻撃的になることがあります。
かなりの頑固者で、自分で決めたことを譲らない傾向があります。
ベドリントンテリアのペースに合わせるとコントロールできなくなってしまうので、
毎日の散歩などは、飼い主さん主導でしっかりと行ってください。
ベドリントンテリアは遊ぶことが大好きなので、
トレーニングのご褒美に遊びを取り入れると
集中力が持続し、楽しくトレーニングできます。
ベドリントンテリアの被毛は伸び続けるため定期的なカットが必要です。
メジャー犬種ではないので、すべてのトリマーさんが
ベドリントンテリアのカットを行えるわけではないようです。
カットスタイルに関してはトリマーさんにしっかりと確認しましょう。
「ベドリントンテリア」のなりやすい病気
ベドリントンテリアは下記の病気になりやすいとされます。
- 銅関連性肝炎
- 膝蓋骨脱臼
- 皮膚疾患
ベドリントンテリアは「銅関連性肝炎」の後発犬種として知られています。
銅関連性肝炎は肝臓の銅の排泄機能が低下し、銅が蓄積することで発症する肝炎です。
ベドリントンテリアは遺伝的に肝臓の銅の代謝機能が悪く、25%のベドリントンテリアが
銅の代謝障害になっているとも言われます。
遺伝性疾患のため予防をすることは難しく、発症した場合は食欲不振、元気消失、腹水などの
症状が見られるようになります。治療方法はステロイド、食事療法などです。
膝蓋骨(膝のお皿)が外れる「膝蓋骨脱臼」は小型犬によく見られますが、
ベドリントンテリアも起こしやすい症状です。
室内がフローリングの場合はカーペットを敷くなど、
滑りにくくするようにしましょう。
ベドリントンテリアはアトピー性皮膚炎などの「皮膚疾患」を起こしやすい傾向があります。
痒がったり、皮膚に赤みが見られたら獣医さんに行くようにしましょう。
また、しっかりブラッシングを行い、皮膚を清潔に保つようにしましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
ベドリントンテリアの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
ベドリントンテリアはイギリス原産の小型犬です。
独特なカットから一見子羊のように見えますが、
テリア特有の気の強さを持ち合わせています。
トレーニングはしっかりと行い、
信頼関係を築くようにしましょう。
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