オオカミのようなソリ犬!「シベリアンハスキー」について

オオカミのような容姿なのに、明るく人懐っこいキャラクターからシベリアンハスキーは人気の犬種です。

歌舞伎役者のような隈取を持つシベリアンハスキーは、日本では漫画をきっかけにブームを巻き起こし、社会現象となりました。

今回はそんなシベリアンハスキーについてお話しします。

「シベリアンハスキー」とは

シベリアンハスキーはロシア(シベリア)原産(※1)の中型のスピッツタイプ(※2)の犬種です。
(※1 ジャパンケネルクラブでは初めて犬種登録されたのがアメリカのため、アメリカ原産と表記されています)
(※2 原始的な犬のグループであり、柴犬、ポメラニアンなどが含まれます)

シベリアンハスキーの原種はシベリアから北極圏で
トナカイの遊牧や狩猟を行っていたチュクチ族(エスキモー)と
共に暮らしていた古いスピッツタイプのソリ犬と言われます。

寒さに強く、力も強いことから寒冷地で重い荷物を運ぶ作業犬として重宝されてきました。

犬種名の「ハスキー」

  • エスキモーと貿易をしていた冒険家たちは
    エスキモーのことを「ハスキー」と呼んでおり、
    エスキモーの飼っていた犬も同じように「ハスキー」と呼ばれ始めた
  • 遠吠えがしゃがれたハスキーボイスだった

などが由来と言われます。

20世紀に入りアラスカに住んでいたアメリカ人たちが
シベリアンハスキーの評判を聞きつけ、犬ぞりレースに使用し、
好成績を収めたことでシベリアンハスキーは少しずつ有名になっていきました。

中でもシベリアンハスキーを世界的に有名にしたのは、
1925年、アラスカの都市ノームでジフテリアが流行した際に
シベリアンハスキーの犬ぞりが500㎞以上の距離を協力して走り切り、
薬と血清を届けたことです。

その後一躍有名となったシベリアンハスキーは
1930年にアメリカンケネルクラブに登録されました。
その後も北米経由で改良され、オオカミを思わせる派手な風貌、
体力がありスポーツも一緒に楽しめること等から
家庭犬として人気の犬種となりました。

シベリアンハスキーはバランスの取れた筋肉質な体型で、
密集したダブルコートを持つ寒さに強い犬です。

特徴的な顔の隈取は、毛色や個体によって濃さは様々ですが、
一般的に成長するにつれて薄くなっていきます。

シベリアンハスキーは他の犬では認められていないことが多い
ブルーの目が許容されている犬種です。
これは元々日照時間の少ない寒冷地ではメラニン色素が減り、
目が青くなることがあるためです。

ブラウン、ブルーアイの他、左右の目の色が違うバイアイ(オッドアイ)も許容されており、
目の色によって異なる雰囲気を見せてくれることも魅力の一つです。

毛色はブラック&ホワイト、シルバー&ホワイト、
レッド&ホワイト、ホワイトなど

「シベリアンハスキー」の性格と飼い方

シベリアンハスキーは人懐っこく明るい性格で、
ソリ犬として集団生活をしていたことから、
犬同士のコミュニケーションが得意な犬種です。

ソリ犬として「自分で考えて行動する」という面が強いため、
物事を教える際には根気が必要なことがあります。

力が強いため散歩時に引っ張らないように、
しっかりと「ツイテ」などのトレーニングをしましょう。

とてもパワフルな犬種のため、散歩の時間をかなり多めにとり、
ボール投げなど走る運動も取り入れます。

運動不足になると吠えなどの問題行動が
起きる可能性があるので注意しましょう。

北国の犬種のため寒さには強いですが、暑さには弱いです。
夏場の温度管理には気を付けましょう。
立派なダブルコートは被毛の抜け毛も多いです。

シベリアンハスキーはとても魅力的な犬種ですが、
飼育には手間や時間がかかります。

かつて日本でブームが起きた時には飼い切れずに
捨てられるシベリアンハスキーが続出しました。

しつけ、体力、抜け毛の多さ等にも向き合えるか…
しっかりと考えてから飼育するようにしましょう。

「シベリアンハスキー」のなりやすい病気

シベリアンハスキーは頑丈な犬で、重篤な病気にはなりにくい犬種とされますが
中~大型犬によく見られる病気や眼病を発症することがあります。

股関節形成不全は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる病気で、大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。

シベリアンハスキーは若年性白内障をはじめとした目の疾患が比較的多く見られます。
目に異常がないか、よく観察するようにしましょう。

シベリアンハスキーは皮膚疾患が見られることがありますが、
この原因はホルモン分泌の異常の他に、高温多湿の日本の気候が
シベリアンハスキーの立派な被毛に合わないことも挙げられます。
梅雨~夏は特に室温・湿度を気にするようにし、
皮膚に異常が見られたら獣医さんに相談しましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
シベリアンハスキーの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

シベリアンハスキーはシベリア原産の犬種です。

かっこいい外見と明るい性格のため
家庭犬としてとても魅力的ですが、
雪の中を数100km走る強靭な体力を持つ
シベリアンハスキーを家庭で飼うには
長時間の散歩や遊びにしっかり付き合う必要があります。

犬に向き合う時間を長時間取れるかどうか、
しっかりと考えてから飼育しましょう。