大きな瞳と鼻ペチャの顔、綺麗な被毛が特徴的な「シーズー」は、昔から人気の小型犬です。今回は「シーズー」についてお話しします。
「シーズー」について
「シーズー」は中国原産の小型愛玩犬です。
シーズーの歴史は古く、チベットから中国に友好の証として贈られていた
「ラサアプソ」という犬に王宮内で飼われていた「ペキニーズ」が交配され
誕生した犬種と言われます。
ラサアプソは神の使いとして神聖視されていましたが、
シーズーも同じように尊ばれました。
シーズーの犬種名はチベット語の「獅子狗(シーズークゥ)」から来ていますが、
中国で最も神聖な動物である獅子の名を与えられ、門外不出となっていたことからも、
シーズーが大切に扱われていたことが分かります。
シーズーは19世紀後半に勃発したアヘン戦争の際に
一時絶滅の危機に陥りましたが、イギリス人により保護され、
イギリスで繁殖されるようになります。
シーズーとラサアプソは容姿が似ていたため、どちらの犬種もラサアプソと呼ばれていましたが、
1930年以降は明確に区別を行い繁殖したことにより、シーズーとして犬種登録されました。
シーズーはペキニーズの血が流れているため、ラサアプソよりもマズルが短く
いわゆる“鼻ペチャ顔”をしています。
体型は体高より体長が少し長く、しっかりとした体つきです。
シーズーは寒いチベット原産のラサアプソの血を引くことから、
寒さに強いダブルコートの被毛を持ちます。
被毛は抜け毛は少なく伸び続けるため、定期的なトリミングが必要です。
ショードッグのシーズーは被毛を伸ばしていますが、
一般家庭ではお手入れが大変なことから、短くカットすることもあります。
毛色はゴールド、ホワイト、ブラックなどの単色や
ゴールド&ホワイトブラック&ホワイトなどのパーティカラーがあります。
「シーズー」の性格と飼い方
シーズーは落ち着きがあり、人に対して友好的です。
活動的な面もありますが、運動量は少ないため
初心者でも飼いやすい犬種と言われます。
一方でプライドが高く、頑固な面も持ち合わせているため、
甘やかしたり、シーズーのペースに合わせてしまうと、
噛みつきや吠えなどの問題行動が出ることがあります。
しつけは根気よく行うようにしましょう。
他犬や人に対して友好的なタイプですが、
社会化を行わないと攻撃性が出ることがあるため、
子犬の頃から家族以外の人に会わせるなどの
社会化を行うようにしましょう。
寒い地域原産で短頭種のシーズーは暑さに弱いです。
夏の暑さ対策はしっかり行うようにしましょう。
シーズーの被毛は柔らかく毛玉になりやすいため、
ブラッシングは毎日行います。
目が大きく、被毛が目に当たりやすいことから
涙や目ヤニが出やすいため、目の周りのお手入れも
怠らないようにしましょう。
「シーズー」のなりやすい病気
シーズーは目の疾患、皮膚の疾患が比較的多く見られます。
シーズーは目が大きく突出しているため、目に傷や炎症を負い、
「角膜炎」などを起こしやすいです。
眼球の内部の眼房水が上手く排出されず、
眼圧が高くなることにより視覚に障害を起こす「緑内障」にもなりやすいため、
目の健康チェックを頻繁に行い、目を気にしていたり、
目ヤニが見られる場合は獣医さんに相談しましょう。
シーズーは「アトピー性皮膚炎」、「外耳炎」などの皮膚炎が多く見られます。
皮膚炎は長期的な治療が必要なため、皮膚をかゆがったり、
赤みが見られる場合は悪化する前に治療を行いましょう。
シーズーは「椎間板ヘルニア」を発症しやすい犬種です。
椎間板ヘルニアは、椎骨と椎骨の間で、
クッションの役割をはたす「椎間板」に亀裂が生じ、
一部が飛び出してしまう病気です。
椎間板ヘルニアを起こすと、触るだけで痛がったり
動かなくなったりするなどの異常が見られます。
椎間板ヘルニアは、肥満によって発症することもあるため
体重管理には気を付けましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
シーズーの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
シーズーは中国原産の小型愛玩犬です。
瞳が大きく、鼻ペチャで愛嬌のある顔立ちと、
綺麗な被毛を持つことから、世界中で人気があります。
性格も大人しく飼いやすいですが、
少し頑固な面があるので、しつけはしっかりと行いましょう。
目や皮膚の疾患が比較的多く見られますので、
健康チェックを怠らないようにしましょう。
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