真っ白で大きな犬「サモエド」は、いつもニコニコしているような表情が愛らしく人々を魅了します。
今回はサモエドについてお話しします。
「サモエド」について
サモエドはロシア・シベリア原産の大型犬です。
サモエドはロシアのサモエド族が3000年以上前から
飼育していた犬が起源とされ、
犬名にはそのまま民族名が使われています。
サモエドは典型的なスピッツタイプ(※)の犬で、
極寒の地に生息し、他の犬と交わることがなかったことから、
極めて原始的な犬とも言われます。
(※)口吻がとがり、耳が立ったイヌの系統
サモエドは極寒の地でサモエド族のトナカイの番やソリ犬、
狩りなどに使用され、暖を取るために人と一緒に眠ることもあったと言われています。
サモエドは極寒の地への適正と、作業能力が見込まれ
20世紀初頭からイギリスやノルウェーなどの南極探検隊でソリ犬として使用されました。
ソリ犬として南極で活躍したサモエドはその後、イギリスに渡ると
繁殖家による改良が始まりました。
サモエドは白以外に黒やブラックタンの毛色もいましたが、
イギリスでは白いサモエドが人気を博したため、白に統一されていきました。
1909年にサモエドのスタンダード(犬種標準)が作成され、
1912年にはサモエドという犬種が正式にイギリスで公認されました。
サモエドは白くてふわふわの被毛に、黒目を持ちます。
特徴的なキュッと上がった口角は笑っているように見え、
この表情は「サモエドスマイル」と言われ、多くの人に愛されています。
「サモエド」の性格と飼い方
サモエドは飼い主に従順で、温和な性格です。
我慢強く、子供との相性も良いと言われます。
他人には警戒心を見せることがあるので、
子犬の時からたくさんの人や犬に会わせる
社会化トレーニングをするようにしましょう。
元々ソリ犬としての歴史のあるサモエドは体力があります。
1日1~2時間の運動を行うようにしましょう。
引っ張る力も強いため、人と歩調を合わせて歩く「ツイテ」などを
しっかり教えるようにしましょう。
好奇心旺盛でいたずら好きな子が多いため、
大切な物はサモエドの届かない場所に置くなどの管理をしてください。
サモエドは極寒のシベリア原産の犬のため、暑さに非常に弱いです。
夏場は冷房を使うなど、暑さ対策をしっかりと行いましょう。
「サモエド」のなりやすい病気
サモエドは他犬種の血があまり交わらなかったため、
遺伝的疾患が少ない犬種ですが、下記の病気になりやすいと言われます。
「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすい疾患ですが、
サモエドも胃捻転の好発犬種とされます。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。
「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く
亜脱臼状態になる病気で、大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
サモエドの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
いつもニコニコと笑っている様な表情をするサモエドは
世界中で愛されている犬種です。
ソリ犬として活躍していたサモエドは力が強いため、
引っ張り防止のトレーニングが必要です。
暑さに非常に弱いため、夏場の熱中症対策は
しっかり行うようにしましょう。
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