長くフサフサな被毛に、美しい立ち姿が目を惹く「ラフ・コリー」。
「名犬ラッシー」の犬種として世界的に有名ですね。
今回はラフ・コリーについてお話しします。
「ラフ・コリー」について
ラフ・コリーはイギリス(スコットランド)原産の大型犬です。
スコットランドの山岳地帯で牧羊犬として飼われていた犬種で、
先祖犬は2000年ほど前にスコットランドにローマ人が連れてきた犬と言われます。
「コリー」はスコットランドで飼育されていた顔の黒い羊を「コリー(黒)」と呼び、
その羊を追う牧羊犬も黒が多かったことから「コリー」と呼ぶようになったと言われます。
コリーはラフ・コリーの他にもビアデッドコリーやボーダーコリーなどが有名です。
ラフ・コリーは1860年にビクトリア女王がスコットランド訪問時に
持ち帰ったコリーがきっかけとなり人気となりました。
一説にはこの時持ち帰った犬はラフ・コリーによく似た
短毛のスムース・コリー(※)だったと言われますが、
スムース・コリーに注目が集まるとラフ・コリーの存在も広く知られるようになり、
とても賢く、優雅な容姿から一気に人気の犬種となりました。
※スムース・コリーはラフ・コリーとは別犬種として区別されています。
「名犬ラッシー」はラフ・コリーを世界的に有名にした作品で、
日本でも名犬ラッシーをきっかけにコリーブームが起きました。
ラフ・コリーは長いマズルにフサフサとした胸の飾り毛が特徴的です。
カラーはフォーン、トライカラー、ブルーマールがいます。
「ラフ・コリー」の性格と飼い方
ラフ・コリーはとても賢く、穏やかな性格で飼い主にとても忠実です。
物覚えが良いため、しつけにはあまり苦労しないでしょう。
繊細でストレスを感じやすい一面があります。
運動をしっかり行い、環境の変化などには注意をしましょう。
他の牧羊犬種と同様、動く物に対して反応しやすい傾向があります。
マテなどの基本的なトレーニングはしっかりと行いましょう。
密集したダブルコートの被毛を持つラフ・コリーは暑さにとても弱いです。
夏場は冷房で室温をしっかり管理し、熱中症にならないように気を付けましょう。
抜け毛の量はかなり多く、覚悟が必要です。
綺麗な被毛を保つためにも毎日のブラッシングを欠かさないようにしましょう。
「ラフ・コリー」のなりやすい病気
ラフ・コリーは下記の病気になりやすいと言われます。
- コリー・アイ
- 胃がん
- 消化器症状
- 胃捻転
ラフ・コリーは遺伝性疾患である「コリー・アイ(コリー眼異常)」を
発症しやすい犬種です。
コリー・アイは眼球の後部に異常が現れ、グレードによっては
網膜剥離や眼球内出血などが起きることがあります。
ラフ・コリーは「胃がん」の好発犬種で、
嘔吐や下痢などの「消化器症状」も起こしやすい犬種と言われます。
胃がんになると食欲低下や嘔吐などの消化器症状が見られますが、
症状だけでは病名の判断はできません。
異常が見られたら獣医さんに行くようにしましょう。
ラフ・コリーは「胃捻転」を起こしやすい犬種です。
「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを
起こしてしまう病気で、大型犬が起こしやすいです。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。
病気ではないですがラフ・コリーは
フィラリア予防薬のイベルメクチンを使用すると、
イベルメクチンの成分に敏感に反応して神経症状を起こすことがあります。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
ラフ・コリーの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
とても賢く、優雅な容姿で人気のラフ・コリー。
名犬ラッシーのイメージが強く、
憧れる方も多いのではないのでしょうか。
素晴らしいパートナードッグになれる犬種ですが、
大型の牧羊犬種ですので運動量が多いです。
運動をしっかり行える環境でない場合は、
飼育は難しいでしょう。
ラフ・コリーは胃腸が弱い個体が多いので、
お腹の健康には注意するようにしましょう。
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