「パグ」は鼻ペチャで小さな垂れ耳、大きな目…一度見たら忘れられない個性的な犬です。
愛嬌のある表情のパグは古くから人々に愛されてきました。
今回はパグについてお話しします。
「パグ」について
パグは中国原産の小型犬です。
「パグ」の名前の由来は諸説あり、
クシャクシャの顔が握りこぶしに似ていることから
ラテン語の「握りこぶし(パグナス)」からきているという説や、
中国語で「いびきをかいて眠る王様」を意味する「パーク―」からきている
などの説があります。
パグは最も古い犬種の一つで、諸説ありますが、
祖先は紀元前2000年頃に東洋にいた犬とされています。
この犬がチベットなどで飼われて、チベタンスパニエルやペキニーズなどを
掛け合わせて徐々に小型化されました。
中国には仏教を通じて持ち込まれ、皇室で長く飼われるようになりました。
紀元前600年頃の中国の美術品などにパグが登場しており、
この頃には現在のパグの姿となっていたことが分かります。
16世紀にはパグは中国からヨーロッパに渡り、
17世紀には王侯貴族たちを中心に大流行しました。
日本では20世紀初頭に、広く知れ渡るようになりました。
パグはしわくちゃの潰れ顔に、がっちりとした体、巻き尾という
個性豊かな姿をしています。毛質は短毛のダブルコートです。
毛色はフォーン、ブラックが主流で、
他にアプリコットとシルバーがいます。
「パグ」の性格と飼い方
パグは明るく人懐っこい性格で、
攻撃性も低いため、初心者でも比較的飼いやすい犬とされます。
しつけに関しては頑固な面があるので、
物事を教える際は根気がいります。
集中力もあまり長く続かないタイプなので、
トレーニングは短期集中で行うと良いでしょう。
特有の潰れ顔にはシワがあり、シワに汚れが溜まると
悪臭や皮膚病の原因になります。
ウェットティッシュなどでシワの汚れを取り、
清潔に保つようにしましょう。
短頭種であるパグは暑さに非常に弱いです。
夏の暑さ対策は十分注意しましょう。
「パグ」のなりやすい病気
パグは下記の病気になりやすいと言われます。
- 壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)
- 軟口蓋過長
- 肥満細胞腫
「壊死性髄膜脳炎(えしせいずいまくのうえん)」は、
パグに多く見られることから別名「パグ脳炎」とも呼ばれる病気です。
大脳の表面の一部に原因不明の炎症が起きることにより、
脳の様々な部位に壊死が進行していき、神経症状が現れます。
初期の場合はステロイドや抗てんかん薬などを処方することがありますが、
治療方法は確立されていません。
発症から数日で死亡するケースや、徐々に進行するケースがあります。
「軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)」は、口の奥にある
軟口蓋という柔らかい部分が長くなり、呼吸障害を起こす症状です。
パグなど、短頭種に先天的に多く見られ、
重度の場合は外科手術を行います。
パグは「肥満細胞腫」の好発犬種とされます。
肥満細胞腫は皮膚にある肥満細胞に発生する
一見するとおできやしこりのように見える腫瘍です。
転移や再発をしやすいため、日常的にボディチェックを行いましょう。
病気は早期発見・早期治療が重要です。
パグの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。
まとめ
パグは中国原産の小型愛玩犬です。
中国の皇室で古くから愛されたりと、
歴史のある犬種です。
鼻ペチャでがっちりとした体格が個性的で、
愛嬌もあることから人気の犬種ですが、
頑固な面があるので、
しつけは根気強く行うようにしましょう。
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