犬のアポロン!「グレート・デーン」について

「犬の中の太陽神(アポロン)」という格好の良い異名を持つ「グレート・デーン」。大きく逞しい体は彫刻のようで、人々を魅了します。今回は「グレート・デーン」についてお話しします。

「グレート・デーン」について

グレート・デーンはドイツ原産の超大型犬です。

英語名では「グレート=大きい」「デーン=デンマーク」のという意味がありますが、
これはまだグレート・デーンに名前がなかった時に、フランス人の学者が
デンマークでこの犬を見かけて「グレート・デーン」と紹介したことによります。

原産国ドイツでは「ドイチェ・ドッケ(ドイツの犬)」と言われます。

「犬の中のアポロン」「優しい巨人」とも称され、
犬の中で最も体高がある犬種としてギネスブックに登録されたこともあります。

グレート・デーンはイングリッシュマスティフと
現在は絶滅してしまったブレンバイザーというブルドッグの一種の血を
引いていると考えられており、かつてはイノシシ猟などに使われました。

グレート・デーンは立派な体格に、威風堂々とした落ち着いた佇まいが
ドイツの上流貴族に好まれ、貴族のステータスとして
飼育されるようになり、その後ドイツの国犬にも指定されました。

毛質は短く光沢のあるシングルコート。
毛色はフォーン、ハールクイン、ブラック、ブルー、ブリンドルなど。
体高は70~90cm、体重は45~90kg。

耳を断耳する習慣がありますが、近年ヨーロッパ諸国では動物愛護の観点から
断耳を行わない傾向があり、断耳をしない場合は大きな垂れ耳です。

「グレート・デーン」の性格と飼い方

グレート・デーンは温和で忍耐強く、飼い主に忠実な性格です。
物怖じせず、子供との相性も良いとされます。

体が大きく力が強いので、少しの飛びつきや引っ張り等でも
事故につながることがあります。
動きをコントロールできるようにしっかりとトレーニングをしましょう。

運動量が不足するとストレスから問題行動を起こすことがありますので、
散歩の際に走り運動を取り入れるなど、十分な運動を行いましょう。

グレート・デーンは甘えん坊で人と一緒に過ごすことを好むことや、
暑さ、寒さどちらにも弱いことから、温度管理のできる室内飼育がおすすめです。

室内飼育の際は尻尾などで意図せず物を落としてしまうことがあるので、
グレートデーンが動きやすいように、物を置く場所を考えるようにしましょう。

どんどん体が大きくなっていく子犬の時期は、
必要なエネルギーを効率よく摂取できる
良質なドッグフードを与えることが重要です。

子犬の時期に激しい運動をさせ過ぎると、まだ骨格や筋肉が未発達なため、
骨が曲がったり、怪我をすることがあります。
過度な運動は避け、適度な運動をするようにしましょう。

超大型犬のグレート・デーンはとても魅力的ですが、飼育難度が高い犬種です。
飼育する際はグレート・デーンに対して、よく勉強し、
終生飼育できるかをしっかりと考えましょう。

「グレート・デーン」のなりやすい病気

超大型犬のグレート・デーンは他の犬種と比べて平均寿命が8歳~10歳と
短い傾向にあります。
これは大きな体に対して内臓が未発達という見解など様々ですが、
下記の病気になりやすいのも一つの要因と考えられています。

「骨肉腫」は「骨髄」「皮質骨」「皮質膜」という組織に発生する骨のガンです。
骨肉腫は進行や転移性が非常に高く、診断された時にはすでに
肺転移していることが多いガンですが、
グレート・デーンはこのガンが多く見られます。

骨肉腫は足に出来ることが多く、足が腫れたり
痛みで歩きたがらないこと等の症状が出ることが多いです。

足や歩行に異常がないかチェックするようにし、
異常が見られたら病院へ行くようにしましょう。

「胃捻転」は、何らかの原因で胃が拡張とねじれを起こしてしまう病気で
グレート・デーンなど、大型犬が起こしやすいです。
早食いや食後の運動を避けるなど、対策をしっかり取るようにしましょう。

「拡張型心筋症」は心臓の筋肉が薄くなり、収縮機能が低下することで
全身にうまく血液を送れなくなってしまう病気です。
この病気になると、食欲の低下や肺水腫などの症状が見られることがありますが、
無症状のことも多いです。
グレート・デーンはこの病気の好発犬種のため、心臓の検査を定期的に
受けるようにしましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
グレート・デーンの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

グレート・デーンはドイツ原産の超大型犬で、
威風堂々とした佇まいが勇ましく、格好の良い犬です。

優しい性格で落ち着きがあり、飼い主にも忠実な犬ですが、
体が大きいため、些細なことが事故につながることがあります。
大きな体をコントロールできるよう、
しっかりとトレーニングを行いましょう。

グレート・デーンは他の犬種よりも寿命が短い傾向があります。
普段から健康に気を付けて、何か体に気になる点があれば
すぐに病院へ行きましょう。