小さな鳥猟犬!「イングリッシュコッカースパニエル」について

小さいながらも優れた鳥猟犬である「イングリッシュコッカースパニエル」は、近年ドッグスポーツでも活躍する人気の高い犬種です。

今回はイングリッシュコッカースパニエルについてお話しします。

イングリッシュコッカースパニエルについて

イングリッシュコッカースパニエルは、イギリス原産の鳥猟犬です。

犬名の「コッカースパニエル」は
「コッカー」がウッドコック(鳥のヤマシギ)の猟に使用されていたことに由来し、
「スパニエル」はスペイン系の鳥猟犬グループの総称です。

イングリッシュコッカースパニエルは潜んでいる山鳥を飛び立たせ、
撃ち落とされた山鳥を回収するという鳥猟犬の仕事をこなしていました。
中型サイズの犬種ですが、鳥猟犬の中では最小に分類されます。

イギリスにはスパニエル種の犬が多くいましたが、
その中でも14世紀頃スペインからイギリスに渡ってきた
「ランド・スパニエル」という種がイングリッシュコッカースパニエルの
起源と言われています。

イングリッシュコッカースパニエルは元々
「イングリッシュスプリンガースパニエル」と同じ犬種でしたが、
小さい物を「コッカー」、大きい物を「スプリンガー」と
別犬種として分けるようになりました。

イングリッシュコッカースパニエルがアメリカに渡ると、
優雅で可愛らしい容姿から愛玩犬として好まれ、
マズルは短く、頭は丸く、サイズは小型化されるなど
より愛玩犬向きの改良が進められました。

これにイギリスの愛好家たちが異を唱え、
アメリカで改良されたコッカースパニエルは
アメリカンコッカースパニエル」という
別犬種として独立するようになりました。

毛色はレッド、ブラックやブラックタンの他にローンという
地色が混ざり合った特徴的な毛色(ブルーローン、レッドローン)があります。

イングリッシュコッカースパニエルの性格と飼い方

イングリッシュコッカースパニエルは明るく陽気な性格で、
とても遊び好きです。

猟犬として走り回っていた犬種なので、とても体力があります。
運動不足でストレスが溜まると問題行動が起きやすくなりますので、
運動や遊びにしっかりと付き合うようにしましょう。

興奮しやすいところがあるため、マテなどをしっかりと教え
「落ち着くこと」を覚えさせましょう。

被毛は伸び続けるため定期的なトリミングが必要です。
足や胸の飾り毛は特に汚れやすいので、
日常的にブラッシングを行うようにしましょう。

イングリッシュコッカースパニエルのなりやすい病気

イングリッシュコッカースパニエルは遺伝疾患が多い犬種として知られています。

  • 先天性激怒症候群
  • 聴覚・視覚障害
  • 目の疾患
  • 皮膚炎

先天性激怒症候群(レイジシンドローム)は
単色のイングリッシュコッカースパニエルに多く見られ、
「何の前触れもなく突発的に攻撃的になる」
というある種の“発作”が起きる疾患です。
この発作は脳のセロトニン分泌の低下が原因と考えられており、
しつけによる回避はできません。

治療方法は確立されておらず、基本的には抗てんかん薬の処方で様子を見ます。
愛犬が急に攻撃的になる場合は、疾患が原因の可能性もあるので
イングリッシュコッカースパニエルにこのような症状が
現れた場合は獣医さんに相談しましょう。

ローンという特徴的な色のイングリッシュコッカースパニエルは
毛色を白くする遺伝子を持つため、
ダックス(ダップル)やシェルティ(ブルーマール)と
同様に聴覚や視覚に影響が出ることがあります。

また、イングリッシュコッカースパニエル全体に白内障緑内障
チェリーアイなど目の疾患が多く見られる傾向があります。
目に白濁がないか、充血していないか等を毎日チェックするようにし、
定期的な目の検査を行うようにしましょう。

皮膚もべたつきやすくマラセチア皮膚炎などを起こしやすいです。
マラセチア皮膚炎になり、マラセチアが異常繁殖を起こすと
激しい痒みや赤みなどの症状が出ます。
発症した場合は薬用シャンプーや食事管理で治療を行います。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
イングリッシュコッカースパニエルの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

イングリッシュコッカースパニエルはイギリスの鳥猟犬です。

明るい性格で運動や遊びが好きな犬種ですので、
アクティブな人に向いています。

遺伝性疾患が多い犬種ですので、日々のボディチェックや
定期的な健康診断をしっかりと行うようにしましょう。