特徴的なブチ柄を持つ犬!「ダルメシアン」について

白地にブチ模様が個性的な犬「ダルメシアン」。”101匹わんちゃん”の主役としてとても有名ですよね今回はそんな「ダルメシアン」についてお話しします。

「ダルメシアン」について

ダルメシアンはクロアチア(ダルメシア地方)原産の中~大型犬です。
犬名のダルメシアンは原産地のダルメシア地方に由来します。

ダルメシアンの起源ははっきりしておらず、正確な詳細は不明ですが
クロアチアのダルメシア地方にそれらしい犬の記録が残っていたため、
ダルメシアンと呼ばれます。

ダルメシアンは番犬や牧羊犬、猟犬など色々な仕事をこなす器用な犬でしたが、
馬に慣れる性質があったため、馬車と一緒に走る伴走犬として
飼育されたと考えられています。

19世紀後半になると、白地にスポット(斑柄)のある美しい姿からイギリスで
貴族の馬車を護衛する犬として人気を博しました。

自動車が普及すると、馬車の護衛犬という仕事が廃れ、
ダルメシアンの人気は下がりましたが、
ディズニーの『101匹わんちゃん』が流行ったことにより、
世界的に有名な犬種となりました。

ダルメシアンは白地に黒または茶(レバー)のスポットを持ちますが、
白地の部分にはメラニン色素が存在していません。
ダルメシアンはメラニン色素が欠乏していることによる、
特徴的な遺伝疾患が存在します。

「ダルメシアン」の性格と飼い方

ダルメシアンは賢く、明るい性格ですが
家族以外の人や犬に対して警戒心を持ちやすい犬種です。

子犬の頃から色々な人や犬に会わせる社会化をしっかり行い、
来客時の吠えをコントロールできるよう、
基本的なトレーニングをしっかり行うようにしましょう。

ダルメシアンは馬と共に長距離を走れる体力の持ち主のため、
運動量はかなり多いです。
運動不足はストレスになり、問題行動の原因になりますので、
走り運動も取り入れて十分な運動をさせましょう。

「ダルメシアン」のなりやすい病気

ダルメシアンは、遺伝疾患が多く存在する犬種です。
なかでも先天性の難聴は他の犬に比べて発生確率が高いことが知られています。

ダルメシアンは一定の確率で「難聴」を持って生まれると言われ、
これはダルメシアンの特徴的な毛色を作り出す遺伝子が原因とされます。
先天性の難聴は治ることはなく、生涯付き合っていく必要があります。
難聴の犬は臆病になりやすく、飼育難度が高くなるため
ハンドサインなどを使用して、犬にわかりやすく物事を伝えることが重要です。
少しでも難聴の犬を減らせるように両耳、片耳が聞こえない犬、
ブルーアイの犬は繁殖ラインから外すように推奨されています。

ダルメシアンは犬の中で唯一「尿酸」を排出する犬種であり、
「尿路結石」になりやすいです。
犬は通常尿酸を水に溶けやすい「アラントイン」という物質に変えて
排出するのですが、ダルメシアンは水に溶けにくい尿酸を
そのまま排出するため他犬種に比べて結石が出来やすいと言われます。
結石はたくさん水を飲ませることや、
食事内容に気を付けることが予防になります。

ダルメシアンはメラニン色素が欠乏していることから起こる
「ワールデンブルグ・クライン症候群」という皮膚炎や
「アトピー性皮膚炎」などを起こすことが多いです。
皮膚炎は完治に時間がかかるため、早期の治療が重要です。
皮膚をかゆがったり、赤みが見られたら獣医さんに相談しましょう。

「股関節形成不全」は股関節の発育状態が悪く亜脱臼状態になる病気で、
大型犬によく見られます。
この病気になるとモンローウォークという腰を
左右に振る独特な歩行になるので、獣医さんに相談しましょう。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
ダルメシアンの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

ブチ模様が個性的なダルメシアンはとても美しく、
魅力的な犬種ですが、犬種特有の遺伝病の割合が多いことや
運動量が多いこと等から飼育は難しい犬種です。

ダルメシアンという犬種をしっかりと理解したうえで、
適切な飼育を心がけるようにしましょう。