小さな騎士!「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」について

大きな垂れ耳とクリッとした目、フリンジのような飾り毛が美しい「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」。気品溢れる姿に明るい表情が見られる、とても可愛らしい犬です。今回は「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」についてお話しします。

「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」について

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(以下キャバリア)
イギリス原産の小型犬です。

キャバリアの起源はチャールズ1世・2世に
愛された小型スパニエル(※)の犬と言われます。

(※)スパニエルは犬種のグループの一つで鳥猟犬の一種。

19世紀になるとヨーロッパでは短頭種が流行し、
パグなどの短頭種とこのスパニエル犬を交配した結果、
「キング・チャールズ・スパニエル」が誕生しました。

この犬種は鼻が潰れた外見をしており、愛嬌のある姿から
貴族などに愛されましたが、いびきがうるさいことや、
体がとても弱かったことから繁殖家たちの間で
昔のスパニエル犬に戻す運動が始まりました。

その結果「キング・チャールズ・スパニエル」を元に
虚弱体質や体型の改善した別犬種
「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」が作出されました。

「キャバリア」は「中世の騎士」の意味を持ち、
騎士らしく雄々しい姿などの理由から命名されました。

キャバリアは1945年に犬種として登録されると、
性格が良く、飼育がしやすいこと等から人気は世界中に広がって行きました。

キャバリアの毛色はブレンハイム、ブラックタン、トライカラー、ルビーの4色で、
ブレンハイム(白地に茶)という独特のカラー名は、
キャバリアを溺愛していた侯爵の領地名から由来します。

ちなみにキャバリアの元となったキング・チャールズ・スパニエルは
現存する犬種ですが、イギリスでも絶滅を危惧されるほど個体数が減っています。

「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」の性格と飼い方

キャバリアは明るく優しい性格で、落ち着きがあり、
他の犬や人とも仲良くすることが出来ます。

攻撃性もとても少なく賢いことから
飼育しやすい犬として知られます。

甘えん坊で1匹でいると寂しがることがあります。
スキンシップの時間を多くとると共に、
「ハウス」などのトレーニングで自立心を育てましょう。

中~長毛の被毛を持つキャバリアはブラッシングのお手入れが必要です。
尻尾や胸、足に飾り毛のように生えている被毛は散歩時に汚れやすいので、
丁寧にブラッシングをするようにしましょう。

「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」のなりやすい病気

キャバリアは下記の遺伝疾患が多く見られる犬種です。

キャバリアは心臓にある僧房弁がしっかり閉じなくなることにより
血液が逆流してしまう「僧房弁閉鎖不全症」が遺伝的に多いことが知られています。

僧房弁閉鎖不全症は高齢の犬に起きやすい病気ですが、
キャバリアは早いと2歳、6歳以上で全体の6割が発症すると言われます。

心臓の定期的な検診を受けるようにしましょう。

「脊髄空洞症」は脊髄の中に溜まった液体が、脊髄を圧迫することにより
脊髄障害などを引き起こす疾患です。
キャバリアは脳の大きさに対して頭蓋骨が小さいため
この病気を発症しやすいとされます。
多くのキャバリアがこの疾患を抱えていますが、
症状が現れずに生涯を終えることも多いです。

その他に大きな垂れ耳や大きな目を持つことから、
外耳炎や角膜炎なども起こしやすいとされます。

病気は早期発見・早期治療が重要です。
キャバリアの体に違和感が見られたり、
いつもと違う行動をする場合は獣医さんに早めに相談してください。

まとめ

キャバリアはイギリス原産の小型のスパニエルです。

優しく穏やかな性格で、とても飼いやすい犬ですが、
遺伝的に心臓の疾患を発症しやすいです。

キャバリアを飼う上で心臓の疾患は
避けられないとも言われますので、
定期的な検診を行い、
異常にいち早く気付けるようにしましょう。