特に子犬で多く見られる症状に「低血糖症」があります。
この症状は成犬にも見られるのですが、子犬に多く見られます。一体なぜ低血糖症は子犬に多く見られるのでしょうか?
犬の「低血糖症」とは
犬の「低血糖症」は血液中の糖分濃度が低下することにより、
血液中の糖分をエネルギー源としている脳の活動に影響が出る病気です。
低血糖症が起こる原因は様々ですが、
子犬の場合は
- 長時間食事をしない(病気・ストレス・食が細い)
- 感染症による嘔吐・下痢
- 寒さによるエネルギーの消耗
成犬の場合は
- 膵臓の疾患
- 副腎皮質機能低下症
- 糖尿病治療時のインスリン過剰投与
などが主な原因となります。
体が未発達で上手くエネルギーを蓄えられない子犬は
長時間食事をしないと低血糖症を起こします。
子犬が食事を摂らない原因は病気による食欲低下やストレスの他に、
食に対する関心が低い(小型犬に多い)などがあります。
また、消化管内寄生虫症やウイルス感染症などが原因で食事が摂れず、
嘔吐や下痢が続く場合も低血糖症を起こすことがあります。
体温調節が苦手な子犬は寒さによるエネルギー消耗も激しいため、
低血糖症になることがあります。
成犬の場合は食事をしばらく摂らなくても、
肝臓内に貯蔵したグリコーゲンを分解して血糖値を維持できるので、
すぐに低血糖症になることはありませんが、
脾臓や副腎疾患の症状の一つとして低血糖症が見られることがあります。
また、糖尿病の治療の際にはインスリンを投与して血糖値を下げるのですが、
この際にインスリンを過剰投与してしまうと低血糖症を起こすことがあります。
犬の「低血糖症」の症状
- ふらつきや震え
- ぐったりする
- 食欲・元気消失
- 痙攣
- 昏睡
ふらつきや震えなどの軽度な症状から、痙攣、昏睡などの重度な症状もあります。
気になる症状が見られたら、動物病院に行きましょう。
犬の「低血糖症」の治療方法
低血糖症は血液中の糖分濃度が下がったことにより起きるので、
血液中の糖分濃度を上げると症状は回復します。
血液中の糖分濃度を上げるために「ブドウ糖」の経口摂取を行いますが、
意識がない場合は静脈にブドウ糖を注射します。
病気が原因で低血糖を起こしている場合は、病気の治療を行います。
犬の「低血糖症」の予防方法
低体重の小型犬の子犬は病気が原因でなくとも、
長時間の空腹がきっかけで低血糖症を起こすことがよくあります。
空腹が原因の低血糖症は、一回の食事量を減らし、
食事回数を増やすことで防ぐことができます。
ふらつきなど軽度の低血糖症を起こした際には、
応急処置として砂糖水を舐めさせると症状を回復させることができます。
(※症状が低血糖症とわかる場合の処置です。判断に迷う場合は獣医さんにご相談ください)
まとめ
犬の「低血糖症」は、エネルギーを体に上手く蓄えられない子犬に起きやすい症状です。
子犬の低血糖症は病気が原因の場合もありますが、
空腹時間が長いことが原因で起きることが多いので、
低血糖症について考慮した食事管理が必要になります。
成犬が低血糖症を起こす場合は、他の病気が原因で起きている可能性が高いです。
子犬も成犬も気になる症状が見られたら、まずは獣医さんに相談しましょう。
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