犬が高齢になると、生活のあらゆる場面で人のサポートが必要です。さらに「認知症」になると「出来ないこと」や「異常行動」が増えるため、より細かなサポートが必要になります。
今回は高齢犬の一般的なケアについてお話しします。ぜひ参考にしてください。
高齢犬のケアについて
高齢犬の多くは大なり小なり生活のケアが必要になります。
上手く犬をサポートしてあげましょう。
排泄のケア
犬が高齢になると、排泄の失敗が増えることがあります。
ペットシーツの枚数を増やし床に敷き詰めたり、
おむつを使用したりしましょう。
被毛が汚れやすくなるため、長毛の場合は短くカットし、
汚れたらすぐにふき取る、ドライシャンプーを使用するなどして清潔に保ちましょう。
歩行のケア
高齢になると筋力低下などが原因で、歩行がふらつき真っ直ぐ歩けなくなることがあります。
犬が上手く歩けなくなったら歩行補助のハーネスを使用すると、歩けるようになります。
また、マッサージをして血流を良くすることで、足の動きが良くなることもあります。
寝たきりなどで歩行困難の場合はバギーを使用し、
気分転換や、脳の刺激を得るために外に出るようにしましょう。
床ずれのケア
犬が寝たきりの場合は、「床ずれ」の予防やケアが必要になります。
犬が寝たきりになると寝返りが打てなくなり、
常に同じ姿勢で寝ている状態になります。
この状態が続くと寝具と接している側の皮膚が圧迫され、
血行が悪くなることにより皮膚表面組織が壊死してしまいます。
この症状を「床ずれ(または褥瘡(じょくそう)」と言います。
床ずれ予防には、圧迫される部分が一点に集中しないように
2~3時間おきに体位変換をすることや、床ずれ防止マットの使用などが有効です。
床ずれが出来てしまったら、悪化させないためにもすぐ獣医さんに相談し、
処置をしてもらいましょう。
一度床ずれが出来ると完治までには時間がかかるため、家でのケアも必要になります。
獣医さんから手当ての仕方も教えてもらいましょう。
食事のケア
犬が高齢になると食べ物を噛む力が弱くなったり、
食の好みが変わったりしてなかなか食べてくれないことがあります。
食事を少し温めて匂いを出したり、
とろみをつけて飲み込みやすくしたりと工夫をしてみましょう。
どうしても食べてくれない場合は流動食をシリンジで流し込むなどの
介助が必要になります。
反対に食事を異常に食べたがる場合は、1日の食事を分割し、
回数を増やして与えるようにすると満足感が得られるようです。
認知症の犬のケアについて
犬が高齢になり認知症になると、
上記のケアの他に症状や行動に合わせたケアが必要になります。
旋回や徘徊のケア
犬が認知症になると同じところをグルグル回ったり、
壁にぶつかって動けなくなり鳴き叫ぶ、
夜中歩き回るなどの行動をすることがあります。
犬がこのような行動をすると体をぶつけて傷めてしまうため、飼い主さんの目が離せなくなります。
家具に体をぶつけても痛くないようにクッションを付けたり、
犬から目を離すときは「体をぶつけても痛くない布製の大きなサークル」を使用するなど、
犬がぶつかっても痛くないような工夫をすると良いでしょう。
夜鳴きのケア
認知症の「夜鳴き」は飼い主さんが睡眠不足になってしまったり、
ご近所迷惑にもなってしまうので大きな問題の一つになります。
夜鳴きを予防するには日中出来る限り起こして、夜に寝かせることです。
日光浴も昼夜逆転を防ぐために効果があると考えられています。
ただし、どうしても改善されないこともありますので
獣医さんに相談して犬が夜間眠れるように、
精神安定剤や鎮静剤などを処方してもらう方法もあります。
まとめ
高齢犬のケアは長期的に必要となります。
愛犬の状態を受け入れて、適切なケアをしてあげましょう。
また、加齢と共に認知症を発症した犬のケアは体力勝負となり、
精神的に疲弊することも多いです。
一人で抱え込まず獣医さんに相談したり、
ペットシッターにお世話をお願いするなど、
必要なサービスをぜひ利用してください。
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