犬はストレスや興奮が高まった時に、不思議な行動を取ることがあります。
例えば犬同士が出会って、ケンカが起きそうな時に突然あくびをしたりと、一見場にそぐわない行動を取ることがあります。
このような行動を「葛藤行動」というのですが、一体どのような意味があるのでしょうか?
犬が起こす“葛藤行動”について
動物が不安やストレス、興奮状態などの感情が入り混じった時に起こす行動を
「葛藤(かっとう)行動」と言います。
「葛藤行動」は「転位行動」「転嫁(てんか)行動」「真空行動」の3種あり、
行動の対象によってそれぞれ名称が異なります。
犬の転位行動
「転位行動」はストレスや不安を感じて葛藤状態になった時に、
”まったく関係のない行動を取って”気を紛らわせる行動です。
例えば犬の場合はグルグルと回ったり、前足を舐めるなどの行動をします。
人が悩んだ時に頭をかいたりする行動は転位行動に当たります。
ちなみには相手の犬や自分自身を落ち着かせるために犬が使う「カーミングシグナル」は
「転位行動」の一つとも言われます。
犬の転嫁行動
「転嫁行動」はストレスや不安を感じて葛藤状態になった時、
”本来の対象ではない対象”へ攻撃を行う「八つ当たり」行動です。
例えば、犬同士のケンカ中に近くにいる飼い主さんへ噛みついたり、
留守番中に物を破壊する破壊行動などが転嫁行動に当たります。
犬の真空行動
「真空行動」はストレスや興奮が最高潮に達したり、
有り余ったエネルギーを発散させるための行動で、
“行動の対象がないのに行動だけが発現する”のが特徴です。
犬では「フライバイティング」と呼ばれる、
虫追い行動が真空行動に当たると考えられており、
実際にはハエが飛んでいないのに空中を目で追ったり、
噛みつくような行動をすることがあります。
まとめ
葛藤行動はストレスや不安、興奮・欲求不満などを解消させるために動物が行う行動です。
犬を飼っているとこのような行動が見られることがありますので、
ぜひ観察して犬の気持ちを知ってみましょう。
葛藤行動が頻繁に見られたり、長期的に見られる場合は
犬にとってその環境がストレスになっている可能性がありますので、
その場合は飼育環境や犬との関係性を見直すなどしましょう。
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