短足の姿が特徴的な「マンチカン」。一目見たら忘れられないほどコミカルな容姿の猫ですね。
以前は日本でほとんど見られなかったマンチカンですが、独特な容姿が人気になり、今では一躍有名な猫種となっています。
今回はそんな「マンチカン」についてお話しします。
「マンチカン」について
マンチカンはアメリカ合衆国原産の短足が特徴的な猫です。
名前の由来は英語のマンチキン(“子供”や“小さい”の意)という言葉からです。
短足の猫は元々突然変異として古くから確認されていましたが、
「マンチカン」という猫種として作出されたのは
1980年代にアメリカのルイジアナで発見された
短足の猫を研究したことがきっかけです。
アメリカの研究結果によると、短足の猫に健康上の異常は見られず、
交配すると短足は子猫に遺伝することが分かったため、様々な猫と異種交配が始まりました。
(※マンチカンの短足は異常ではないという意見と
ダックスフンドなどと同じ軟骨の形成異常によるものという意見があり、
猫の登録団体でも意見が分かれています)
短足のマンチカンは意外にも生活上大きな支障はなく、
他の猫と比べてジャンプ力が少し劣る程度です。
マンチカンの体重はオス3kgほど、メスはオスより小さめです。
短足のマンチカンは体高が他の猫より低く、
2014年に体高が世界一低い猫としてギネス認定されたマンチカンがいます。
マンチカンは作出する過程で様々な猫種と交配されたため、
色々な毛色や毛質の猫がいます。
≪マンチカンの足の長さと交配について≫
短足が特徴的な猫として作出されたマンチカンですが、
足の長さは「短足」だけでなく普通の猫と同じ位の「長足」、
短足と長足の中間である「中足」と3つの足の長さが存在します。
短足のマンチカン同士を交配すると、虚弱体質の子猫が生まれたり、
死産になることが多いため禁止されており、基本は短足×長足or中足の交配となります。
短足同士で交配すれば短足のマンチカンが生まれる確率はもちろん上がるのですが、
優良ブリーダーは短足同士の交配を避けるため、
短足のマンチカンが生まれる割合は2割ほどに留まっています。
現在のマンチカンは「マンチカン同士」か
「マンチカンと雑種」の交配は認められていますが、
「マンチカンと他の純血種」の交配は認められていません。
また、マンチカンのキャットショー出場条件に「立ち耳であること」が
設けてあり、折れ耳やカールした耳はマンチカンとして認められません。
「マンチカン」の性格
マンチカンは比較的穏やかな性格で、
他の猫や動物と一緒に暮らしやすい子が多いようです。
また、好奇心旺盛で遊び好き、人に対して警戒心が強くないので
初めて会った人に対しても懐くことがあります。
「マンチカン」のなりやすい病気
マンチカンは猫種としての歴史が浅く、病気に対してのデータが少ないため
まだわからないことが多いのですが、特有の疾患は少なく比較的頑丈な猫です。
一般的に
が他の猫よりも多く見られる傾向があります。
短足の犬(ダックスフントなど)と比べて、マンチカンは椎間板ヘルニアを
起こすリスクは低いのですが、肥満などの条件が加わると
椎間板ヘルニアを起こしやすくなりますので注意が必要です。
変形性関節症は軟骨の形成異常を持つ猫に起こりやすい疾患ですが、
短足のマンチカンもこの疾患を起こしやすいと考えられています。
健康上の理由で禁止されている繁殖ですが、
耳折れマンチカン(スコマンチ)として販売されているマンチカンは
スコティッシュフォールドの耳折れ遺伝子も持ち合わせているため、
変形性関節症を起こすリスクが非常に高いです。
マンチカンの人気から乱繁殖が増え、
健康面を無視した危険な交配も行われていますので、
信頼できるブリーダー(キャッテリー)を探すようにしましょう。
まとめ
短足でコミカルな容姿が人気のマンチカンは比較的新しい猫種です。
短い足で遊んだり、トコトコと歩く姿は可愛らしく
他の猫にはない魅力があります。
短足ですがとても筋肉質でアクティブですので、
関節のトラブルを起こさないよう、カーペットを敷いたり
環境面を整えてたくさん遊ぶようにしましょう。
人気の高いマンチカンは、乱繁殖が行われ
健康面で問題のある子猫が販売されやすくなっています。
マンチカンを迎え入れる場合は
信頼できるブリーダー(キャッテリー)を探すようにしましょう。
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