大きな音は平気でも、雷が鳴るとブルブルと震えだしたり、
動けなくなってしまう犬がいます。
どうして雷を苦手な犬が多いのでしょうか?
Contents
雷の音を苦手な犬が多い理由
雷は音や振動、気圧の変化、静電気など「単なる大きな音」では
片付けられない自然現象であり、犬は自分の命を脅かすものだと
本能的に察知しているため、犬が雷を怖がるのは自然な行動と言われます。
さらに強い不安行動を示す場合は下記のような育った環境や、年齢、
経験などによることが大きいです。
- 社会化不足
- 強い恐怖体験がトラウマになった
- 病気・高齢になり不安に感じる物が多くなった
- 飼い主の行動により強化された
社会化不足
子犬の時期に色々な経験をすることで、
様々な事柄に慣らすことを「社会化」と言うのですが、
社会化が不足すると様々な問題行動に繋がることがあります。
社会化不足の犬は聞いたことのない音や大きな音に対して、
過敏になる傾向があります。
強い恐怖体験がトラウマになった
社会化をしっかり行った場合でも、家の近くに雷が落ちたなど
かなり強い恐怖体験があった場合は「トラウマ」となり、
以降小さな音の雷に対しても怯えるようになります。
病気・高齢になり不安に感じる物が多くなった
病気や加齢などにより身体的に衰えた部分が出てくると、
元気だったころと比べて音に敏感になることがあります。
飼い主の行動により強化された
雷を怖がった際に飼い主さんが声をかけたりなだめてくれた場合、
飼い主さんに構ってもらうために、
より雷に対して怖がるようになることがあります。
また、飼い主さんが雷に対して怖がると
犬も雷に対して警戒するようになり、
恐怖心を煽ってしまうことがあります。
雷が鳴ると見られる犬の不安行動・症状
雷が鳴り始めた際に犬が恐怖心や不安を感じると
下記の行動や症状が見られる場合があります。
雷による不安行動は様々で震えなどの軽度な物から、
嘔吐や失神など身体の症状として見られるものまで様々です。
<軽度な不安行動・症状>
-
- 震える
- 逃げ回る
- その場で固まる
- 飼い主さんに抱っこを求める
- 耳が下がる
- 食べられなくなる
- 暗がりなどに隠れようとする
- パンティング(ハアハアと舌でするあえぎ呼吸)
- 吠える
- よだれを垂らす
<重度な不安行動・症状>
-
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
- けいれん
- 失神
これらが見られるタイミングを観察すると、
犬が雷の何に対して怖がっているのかを知ることに繋がります。
雷を怖がる犬の対処方法~軽度な不安行動・症状の場合~
犬が雷を怖がり、震えたり逃げ回るなど軽度な不安行動・症状が見られる場合は、
下記の対応をしてください。
声をかけず見守る
雷が鳴り出して、犬が落ち着かなくなってきたら
つい声をかけてしまいますが
飼い主さんが声をかけることで
「構ってもらえた」と思い、
落ち着かない行動が強化されることがあります。
また、飼い主さんが「キャー!」など大きな声を出して怖がると
犬も雷は怖い物だと認識してしまうことがあります。
基本的には何もせず犬を見守りましょう。
隠れ場所を用意する
その場で震える、固まるタイプの犬の場合は
ハウスなど狭い場所を用意して逃げ場を作ってあげると
その場所に逃げ込み落ち着かせることができます。
しかし、逃げ回るタイプの犬を、ハウスの中に無理矢理入れると
逃げられないことからパニックを起こしたり、
その場から逃げられなかったことがトラウマになり、
通常時でもハウス自体に入れなくなることがあります。
雷が鳴った後に犬がどのような行動を取るのか、
しっかり観察して対応するようにしましょう。
雷は長く続くものではないので、
雷に対して軽度の不安行動であればこのような対応を行います。
雷を怖がる犬の対処方法~重度な不安行動・症状の場合~
犬が雷を怖がり、嘔吐や下痢などの身体症状が見られる場合は重度な不安を感じています。
この場合は身体への負担が大きいので下記の対処方法を行ってください。
サプリメントや薬を処方してもらう
病院へ相談すると精神安定の薬やサプリメントを処方してもらえますので、
相談してみましょう。
行動学の専門家に相談してトレーニングを行う
問題である雷に慣らすトレーニングを行えば、
雷に対する不安行動を無くすことができます。
しかし、雷は自然現象の中でも「音」「振動」「光」など
色々な要因が混ざり合っていることや、
本物の雷をその場で出して慣らすようなことが出来ないため、
難しいトレーニングになります。
トレーニングをする場合は雷の音のCDや映像を使用し、
小さな音から日常で流すことで慣らしていく
トレーニングなどを中心に行います。
トラウマなどが関係している場合は家で行うのは難しいので、
行動学を専門にしているトレーナーさんや獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
多くの犬が雷を苦手な理由には「本能によるもの」や、
「育った環境」「年齢」「経験」などが関係していることが分かりましたね。
軽度の不安症状の場合は、様子を見たり
隠れ場所を作ることで対応します。
重度の不安症状で身体症状を起こす場合は、
薬やサプリメントなどを処方した方が良いこともありますので
動物病院に相談しましょう。
雷自体に慣らすトレーニングは難しく、
根気が必要ですので、行う場合は専門家に相談してみましょう。
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