犬の眼病に「チェリーアイ」という病気があります。
この病気は人間の目にはない、犬の第三の瞼と呼ばれる部分の病気です。
今回は犬の「チェリーアイ」について詳しくお話しします。
犬の「チェリーアイ」とは
犬の目には上下の瞼のほかに、第三の瞼と呼ばれる
「第三眼瞼(だいさんがんけん)[別名:瞬膜]」が目頭の内側に存在します。
この第三眼瞼が突出して米粒~小豆大に腫大し、
赤色になっている状態がチェリーに似ていることから
「チェリーアイ」と言います。
チェリーアイは第三眼瞼を固定している組織が
先天的に欠損しているため起こります。
この欠損は遺伝が関係していると考えられており、
セントバーナード、バセットハウンド、アメリカンコッカースパニエル、
ボストンテリア、ビーグル、ペキニーズなどの若齢犬によく見られます。
また、眼窩(がんか:眼球の収まる頭蓋骨のくぼみ)や第三眼瞼の外傷で発生することもあります。
犬の「チェリーアイ」の症状
犬がチェリーアイになると下記の症状がみられることがあります。
- 第三眼瞼の腫れ
- 流涙症
- 結膜炎
- 角膜炎
犬がチェリーアイになると第三眼瞼が肥大した不快感から、
犬が目をこするようになり、涙が出たり(流涙症)、
結膜炎や角膜炎を起こすことがあります。
犬の「チェリーアイ」の治療方法
犬のチェリーアイの基本的な治療方法は、
逸脱した第三眼瞼腺を元の位置に戻す縫合手術です。
チェリーアイの状態によっては点眼薬や内服薬を処方し、
炎症を軽減させる内科的治療も行いますが、
再発を繰り返したり、完治しない場合は外科手術を行います。
第三眼瞼は涙液の約30~35%を産生しており、
安易に切除すると将来的にドライアイになる可能性が高いため、
切除ではなく縫合手術を行います。
術後は点眼薬の投与を行うなどのケアを行います。
犬の「チェリーアイ」の予防方法
犬のチェリーアイは遺伝によることが多いため、
明確な予防方法はありません。
両親犬がチェリーアイの場合は遺伝する可能性が高いため、
そのような犬を繁殖に用いているブリーダーやショップから
犬を購入することは控えましょう。
また、自分が飼っている犬がチェリーアイの場合は
繁殖させないようにしましょう。
犬がチェリーアイになった場合、まずは獣医さんに相談し、
今後の治療方法について相談するようにしましょう。
チェリーアイになると目の炎症が起きやすくなります。
犬の目の状態を日常的にチェックするようにしましょう。
まとめ
犬のチェリーアイは犬の第三眼瞼がチェリーのように
赤く腫大してしまう症状です。
チェリーアイになると犬が目を気にしてこすって
炎症を起こしてしまうことがあります。
犬の目に異常が見られたら、獣医さんに相談するようにしましょう。
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