猫の寄生虫感染症の一つに「コクシジウム症」があります。
コクシジウム症は体力のない子猫が発症すると、命にかかわることもあります。
今回は猫の「コクシジウム症」についてお話しします。
Contents
猫の「コクシジウム症」とは
猫の「コクシジウム症」は寄生虫の一種である「コクシジウム」による感染症です。
コクシジウムは原虫と呼ばれるグループの寄生虫で、
肉眼では見ることが出来ません。
猫の腸管内に寄生して、下痢などの症状を引き起こします。
健康な猫では感染しても症状が見られないことが多いですが、
ストレスなどで免疫力が低下した時に発症することがあります。
コクシジウム症は特に子猫に多く見られます。
コクシジウムは猫の腸管内に寄生すると「オーシスト」と呼ばれる
卵に似た物を排出するようになります。
オーシストは感染した猫の糞便内に排出され、
他の猫がオーシストを経口摂取することで感染します。
猫の「コクシジウム症」の症状
猫のコクシジウム症は感染しても無症状の場合が多いですが、
免疫力の低下した猫や子猫には
水様性の下痢の症状が見られることがあります。
さらに症状が悪化すると
- 血便
- 脱水症状
- 貧血
- 栄養失調
などが見られることがあります。
体力のない子猫は長期的に下痢が続くと、
死亡することがあるので注意が必要です。
猫のコクシジウム症の治療方法
まずは検便を行い、コクシジウムの有無を確認します。
糞便内にコクシジウムが見られたら、
サルファ剤という薬を内服し、コクシジウムの駆虫を行います。
症状によって下痢止めや吐き気止めなどが処方されることもあります。
1回の投薬では駆虫しきれないことが多く、
数週間検便と投薬を繰り返し、治療を行うこともあります。
猫の「コクシジウム症」の予防方法
猫のコクシジウム症はワクチンなどで予防はできませんが、
感染猫との接触を防ぐことや、
衛生管理を適切に行うことが予防に繋がります。
野良猫や不衛生な環境にいた子猫に注意
コクシジウムは野良猫や不衛生な環境にいた子猫に
感染が多くみられるため、
そういった環境の子猫を保護した場合は、
すぐに動物病院で糞便の検査をしてもらいましょう。
早めの検査は他の猫への感染や、
子猫自身の症状の重症化を防ぐことに繋がります。
糞便を早く処理する
コクシジウムのオーシストは、糞便内に排出されてから
24時間経過しないと感染力を持ちません。
そのため、猫が排泄したらすぐに糞便を処理し、
トイレを清潔に保つようにしましょう。
排泄後にお尻周りの被毛や足に糞便が付いた場合も
感染源となり得ますので、注意しましょう。
トイレなどの熱湯処理を行う
コクシジウムは塩素消毒が効かないため、
感染猫が使用したトイレトレーやケージ、おもちゃなどは
熱湯処理を定期的に行う必要があります。
まとめ
猫のコクシジウム症は、
健康な猫が感染しても無症状の場合が多いですが、
子猫や免疫力の低下している猫が感染すると
下痢などの症状が見られることがあります。
コクシジウムを完全に駆虫するには時間がかかることが多いため、
根気よく治療を続けるようにしましょう。
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