猫が貧血になる「猫伝染性貧血」という病気があります。
猫伝染性貧血は未だに原因がはっきりしていないなど、不明な点が多い病気です。
人も貧血になると立ちくらみやだるさなどがあり、とても辛いですが、猫も貧血になるとふらふらとしたり、元気がなくなってしまいます。
今回は「猫伝染性貧血」とは一体どんな病気なのか詳しくお話しします。
猫伝染性貧血とは
猫伝染性貧血(別名:ヘモバルトネラ症またはヘモプラズマ症)は
マイコプラズマ(ウイルスと細菌との中間の微生物)の一種である
ヘモバルトネラ・フェリスという病原体が
赤血球に付着することにより引き起こされる貧血性疾患です。
はっきりとした感染経路は不明ですが、
- 猫同士のケンカによる傷口からの感染
- ダニやノミなどの媒介
- 母猫から子猫への感染
などが感染経路と考えられています。
赤血球に付着したヘモバルトネラ・フェリスは時間が経つと消失しますが、
その後また現れるなど、不規則に消失と出現を繰り返します。
猫伝染性貧血は猫白血病との関連が知られており、
猫伝染性貧血にかかった猫の約70%に猫白血病の感染が見られます。
猫伝染性貧血の症状
- 貧血
- 脾臓の腫れ
- 発熱
- 元気・食欲の低下
貧血が起きることで粘膜が白くなり、
鼻先や目のふちがピンク色の猫の場合は退色が見られます。
胃の下にある脾臓が腫れて、お腹が膨れたような状態になることもあります。
貧血の症状が進行すると死亡することもあります。
猫伝染性貧血の治療
赤血球に寄生する病原体を確認することで
猫伝染性貧血の診断を行います。
ただし、ヘモバルトネラ・フェリスは出現と消失を繰り返すため、
数日間検査を続ける必要があります。
治療は抗生物質(テトラサイクリン系)の投与が有効です。
貧血が重度の場合は、副腎皮質ホルモンの投与により
赤血球の破壊を止める場合もあります。
ヘモバルトネラ・フェリスを全滅させるのは難しいため、
回復しても再発することが多いです。
ただし早期に発見し、投薬治療を行えば助かることの多い症状です。
猫の異変を見逃さないようにしましょう。
猫伝染性貧血の予防方法
- ノミ・ダニの予防薬投与
- 猫を外に出さない
猫伝染性貧血は予防薬やワクチンがないことから
確実な予防方法は確立されていませんが、
感染源と言われるノミ・ダニの予防や他の猫との外部接触を避けることが
予防に繋がると考えられます。
まとめ
猫伝染性貧血は一度感染すると、回復しても再発することが多く
生涯付き合っていかなくてはいけない病気です。
ネコちゃんに異変が見られたら早期に病院に行き、
治療をするようにしましょう。
最近のコメント