犬は「狂犬病ワクチン(義務)」と「混合ワクチン(任意)」を毎年接種しますが、これらのワクチン接種時に起こるアレルギー反応についてご存知でしょうか。
犬を怖い病気から守るために必要不可欠なワクチンですが、接種後に起こるワクチンアレルギーも怖い物です。
ワクチン接種後の犬の異変を見逃さないためにも、ワクチンアレルギーについて知っておきましょう。
犬の「ワクチンアレルギー」とは
ワクチンを打つことで免疫機能が正常に働く場合は、
そのまま病気に対する抗体が作られます。
しかし、ワクチンを打つ事によって
体の免疫機能が過剰に反応してしまった場合は、
アレルギー反応が出る事があります。
これがワクチンアレルギーです。
ワクチンアレルギーが起こる確率は0.38%と言われ、
犬種ではミニチュア・ダックスフンドに多く見られます。
ワクチンアレルギーを特に起こしやすいのは、混合ワクチンと言われます。
5種以上の混合ワクチンに含まれる「レプトスピラ病」は人畜共通感染症でもあり、
予防が必要な病気ですが、レプトスピラ病が入っているワクチンは
ワクチンアレルギーを起こしやすいと考えられています。
犬の「ワクチンアレルギー」の症状
ワクチンアレルギーは打ってすぐに反応が出る即時型の物と、
打ってから数時間後から24時間以内に起こる遅延型の物の2種類あります。
即時型アレルギー
症状としては全身性のアナフィラキシーショックを起こす、
最も危険なアレルギー反応です。
接種後すぐに痙攣、血圧低下、嘔吐などの症状が見られ、
処置をしないと死亡する事もあります。
遅延型アレルギー
接種後すぐには反応は出ず、数時間後から24時間以内に
接種部が熱を持つ、顔が腫れる、じんましん、痒がる、嘔吐、下痢
などの症状が出ます。
犬が軽度から中程度のワクチンアレルギーを起こした場合は
アレルギーを抑える注射を打ち、症状が落ち着くまで1~3日内服薬を飲みます。
重度の場合は緊急処置を行い、入院することもあります。
犬の「ワクチンアレルギー」の対処法
犬のワクチンアレルギーは「去年は平気だったのに、
今年になって初めて出てしまった」というように
突然起こる場合が多く、年齢やその子の体質や体調にも左右されます。
打つ前から出来る対処法としては
- 体調不良の時には打たない
- 元々アレルギーのある子にはアレルギー反応の出ている時期には打たない
等が挙げられます。
また、接種後にアレルギー反応が出た場合でもすぐに対処してもらえるよう
午前中にワクチンを接種するなど、万が一の場合を考えることも大切です。
※午後接種だと夜間にアレルギー反応を起こした場合の対処が難しいため
接種後に少しでもアレルギー反応が出た場合は、
次のワクチン接種について獣医さんに相談する必要があります。
過去に一度でもアレルギー反応を起こした場合には、
次の接種時にもアレルギー反応が起こる場合が多いため、
- ワクチンの内容を変える(8種なら5種に変更、メーカーを変更するなど)
- ワクチンを打つ前に抗アレルギー剤を投与する
などの対応がされます。
まとめ
ワクチンアレルギーを知るとワクチンを打つのが怖くなりますが、
ワクチンを打たないと今度は感染症にかかるリスクが上がります。
狂犬病と違い、混合ワクチンは義務ではないため、
打つ、打たないは飼い主さんの選択になりますが、
感染症になった時の死亡率の方が高いため、毎年の接種をお勧めします。
ワクチンアレルギーは確率的にはとても低いことですが、
どの子にも起こる可能性があることです。
ワクチン接種の後には、アレルギー反応が出ていないか
必ず確認するようにしましょう。
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