皮脂腺トラブル!?犬の「脂漏症」について

犬の皮膚がなんだか妙にべたついたり、
カサカサとフケが異常に出る場合は「脂漏症(しろうしょう)」の可能性があります。

今回は犬の「脂漏症」について詳しくお話をしていきます。

犬の「脂漏症」とは

犬の「脂漏症」は皮脂腺から過剰に脂が出たり、
反対に皮脂腺からの脂が極端に少ないことにより生じる皮膚病です。

脂漏症は犬種による遺伝的なものや、
感染症、アレルギー、内分泌系疾患、栄養の偏り、腫瘍など
様々な要因が重なって発症します。

脂漏症は大きく分けて2種類あり、
脂が多く出てしまうことにより生じる症状を「脂性脂漏症」、
脂が少ないために生じる症状を「乾性脂漏症」と言います。

脂漏症は慢性化しやすく、完治も難しいとされます。

先天的に脂漏症になりやすい犬種が存在し、
脂性脂漏症はアメリカン・コッカー・スパニエル、
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、シーズーなどに多く見られ、
乾性脂漏症はジャーマン・シェパード・ドッグ、ダックスフンドなどに
多く見られます。

また、パグやシャー・ペイなどの皮膚がたるんでシワのある犬種も
シワの間が汚れやすいため脂漏症になりやすいとされます。

犬の「脂漏症」の症状

脂性脂漏症の症状

  • 皮膚がべたつく
  • 体臭が強くなる
  • 毛が抜ける
  • 痒がる

乾性脂漏症の症状

  • 皮膚がかさつく
  • フケが出る
  • 毛ヅヤが悪くなる
  • 痒がる

全身のあらゆる部位で発症し、痒みを伴うため
掻きむしりから皮膚が膿んでしまう膿皮症になることがあります。

また、脂漏症になると皮脂からの脂を好むマラセチア(常在菌)が
繁殖しやすい状態となるため、
マラセチアによる皮膚炎を発症することがあります。

犬の「脂漏症」の治療方法

  • 薬用シャンプーで薬浴する
  • 痒み止め(内服薬・外用薬)の使用
  • 抗真菌薬・抗生剤の使用
  • 原因となっている疾患の治療
  • 栄養バランスの整った食事を与える

脂漏症の症状を抑えるために、専用のシャンプーで薬浴します。
薬浴は症状により週1~月2回ほどの頻度で行います。

痒みがひどい場合は、痒み止めの内服薬や外用薬を使用します。

マラセチアの繁殖を抑えるために抗真菌薬を使用したり、
膿皮症などの合併症を予防するために、
抗生剤を使用することがあります。

脂漏症の原因が感染症や内分泌系疾患など他の病気の場合は、
その病気の治療を行います。

栄養バランスの偏りも脂漏症の原因と考えられているため、
良質なフードを与えるようにします。

犬の「脂漏症」の予防方法

  • 皮膚を清潔にする
  • 免疫力を高める

皮膚を清潔にする

皮膚が不衛生な状態だと、脂漏症を発症しやすくなります。
ブラッシングやシャンプーは普段からしっかりと行い、
死毛やフケ、汚れを落とします。

また、シャンプー後は皮膚や被毛を
しっかりと乾かすようにしましょう。

免疫力を高める

皮膚のトラブルは免疫力が下がった時に発症しやすいです。

栄養バランスの整った良質なドッグフードを与えて、
普段から免疫力を高めるようにしましょう。

免疫力を高めるサプリメントを食事に加えるのも効果的です。

まとめ

犬の「脂漏症」は皮脂腺のトラブルにより発症する皮膚病です。

皮膚が異常にべたついたり、反対にかさついている時は
脂漏症の可能性があります。

慢性化しやすく完治には時間がかかる疾患ですので、
発症しやすい犬種の場合は、
皮膚の状態に特に注意をするようにしましょう。