「三毛猫にはオスがいない」または「ものすごく少ない」ということを聞いたことはないでしょうか?
オスの三毛猫の数が少ないことは知っていても、どういう理由かまでは知らない方が多いと思います。
そこで今回は「オスの三毛猫の秘密」についてお話しします。
オスの三毛猫の数が少ないのは何故??
オスの三毛猫の数が少ないのは、
オス猫は遺伝子の関係上、三毛猫の色である「茶・黒・白」のうち
「茶と黒」を一緒に持つことができないからです。
少し難しいですが、遺伝子のお話をしていきます。
猫の染色体の話
遺伝子は細胞の中にある「染色体」の上にのっています。
猫は性別を決める「性染色体」を1対と、
性別を決定する遺伝子をもたない「常染色体」を18対持っています。
この性染色体の組み合わせがXXの場合はメス猫、XYの場合はオス猫となります。
猫の毛色を決める遺伝子の話
猫の毛色を決める遺伝子は全部で9種類あり、
複数の遺伝子の組み合わせで猫の毛色は決まります。
三毛猫の色は赤(明るい茶)、黒、白の三色ですね。
白の遺伝子は常染色体にあるスポット遺伝子(白いぶちにする遺伝子)が決めているのですが、
残りの赤と黒は「オレンジ遺伝子」という遺伝子が決めています。
オレンジ遺伝子にはO遺伝子(ラージオー遺伝子:黒毛を赤毛に変えるよう命令する遺伝子)と
o遺伝子(スモールオー遺伝子:黒毛のまま変わらないように命令する遺伝子)の二つがあります。
このオレンジ遺伝子はX染色体上のみにあるため、
XYの染色体をもつオスはOかoのどちらか1つしか持つことが出来ません。
メス猫は2個あるX染色体上の両方にO遺伝子があると赤系の毛色になり、
どちらもo遺伝子の場合は黒系の毛色に、
O遺伝子とo遺伝子の場合はと赤と黒のまだら(サビ)になります。
これに白の遺伝子があれば三毛になります。
オス猫は1個しかないX染色体上にO遺伝子があると赤系の毛色になり、
o遺伝子があると黒系の色になります。
つまりOとoの遺伝子を同時にもてないため、三毛にはならないのです。
以上の理由から、遺伝子の関係上では三毛猫はメス猫のみとなり、
また同じ理由から茶と黒の二色で構成される、サビ猫もメスのみとなります。
まれにオスの三毛猫が生まれることがある?
オスの三毛猫が遺伝的に生まれないことがわかりましたが、
実はごくまれに「XXY」や「XXXY」など複数のX染色体をもつ
オスの三毛猫が生まれることがあります。
これは染色体の異常でクラインフェルター症候群と呼ばれ、
確率的には3万匹に1匹ほどと言われます。
染色体異常から生殖機能はない場合が多いようです。
オスの三毛猫が生まれるのはかなりレアケースのため、
「オスの三毛猫は幸運を招く」と言われることもあります。
まとめ
オスの三毛猫が生まれない理由は遺伝の関係上三毛猫の色である「茶・黒・白」のうち
「茶と黒」を一緒にもつことができないからということがわかりましたね。
ただし、染色体異常でごくまれにオスの三毛猫が生まれることもわかりました。
猫の毛色の種類は多く、模様なども含めるととても複雑です。
色々と調べてみると面白いですよ!
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