犬は大きさや容姿の異なる様々な種類がいますが、中でも個性的なのは「短頭種」の犬です。
短頭種はいわゆる「鼻ぺチャ犬」のことで、ユニークな風貌は、日本でもとても人気がありますね。
今回はこの「短頭種の犬」についてお話しします。
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「短頭種」はどんな特徴の犬?
犬はマズルの長さにより短頭種、中頭種、長頭種に分けることができ、
「短頭種」は「マズル(口吻)」の長さが「スカル(頭蓋骨)」の長さ
よりも短い犬種のことを言います。
短頭種はブルドッグのように
「極端に鼻が潰れている犬」のイメージがありますが、
実はチワワなどの「マズルが短い」犬種も短頭種に含まれます。
元々犬はオオカミのように長いマズルでしたが、
人が様々な目的に合わせて改良していき、短頭種が作られました。
大きく分けて短頭種の犬には「使役犬」と「愛玩犬」のタイプがあります。
使役犬の短頭種で有名なのがブルドッグです。
牛(ブル)と闘わせるために改良されたブルドッグは、
牛に噛みつくために下あごを発達させ、噛みついたままでも息ができるように
鼻を上向きにしていったことであのような風貌になっています。
一方、外見を可愛く改良していった短頭種が、愛玩犬のパグやシーズーなどです。
代表的な短頭種の犬種
- ブルドッグ
- フレンチブルドッグ
- パグ
- ボストンテリア
- シーズー
- ペキニーズ
- チベタン・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- ボクサー
- ブルマスティフ
- ボルドーマスティフ
- チャウチャウ
- チワワ
- マルチーズ
など
「短頭種の犬」のリスクを知ろう!
他の犬にはない独特の愛嬌があり、とっても可愛い短頭種ですが、
鼻ペチャならではの健康リスクや制限が存在します。
短頭種を飼ううえで知っておくべき注意点をまとめました。
- 体温調節が苦手
- 目のケガに注意
- 顔のしわが汚れやすい
- 歯のかみ合わせが悪い(歯垢が溜まりやすい)
- 呼吸器のトラブルが多い
- 他の犬と比べて麻酔のリスクが高い
- 飛行機搭乗に制限がある
体温調節が苦手
犬は汗によって体温調節をせず、
「パンティング」(ハアハアと舌を出して行う喘ぎ呼吸)で体温を下げています。
パンティングすると鼻や口の中に息が通り、
その息によって粘膜上の水分が蒸発し、体温が下がるのですが、
短頭種は鼻が短く口腔の面積が狭いため、体温を下げることが苦手です。
そのため他の犬と比べて暑さに弱く、熱中症にかかりやすいので
夏の暑さ対策はより一層の注意が必要です。
目のケガに注意
短頭種は目がクリクリと大きく飛び出している犬が多く、
これが短頭種の魅力の一つにもなっています。
しかし他の犬と比べてマズルが短いため、
この大きな目をガードすることができず、ケガをしやすいです。
乾燥など目のトラブルも起きやすいので、
目に異常がないか普段から気に掛けるようにしましょう。
顔のしわが汚れやすい
短頭種は顔の一部がたるんで「しわ」が出やすくなっている犬種が多いのですが、
そのしわの部分に汚れが溜まりやすいです。
汚れが溜まると皮膚のトラブルや、悪臭に繋がります。
しわの部分の汚れを落とし、清潔に保つことが必要です。
歯のかみ合わせが悪い
短頭種はマズルが潰れている関係上、
下あごが上あごより前に出る「アンダーショット」と呼ばれる
噛み合わせが多かったり、歯並びも悪いことがあります。
歯の噛み合わせや、歯並びが悪いと歯垢が付きやすく、
歯周病などの口腔内のトラブルが起こりやすくなります。
毎日の歯みがきケアがとても大切です。
呼吸器のトラブルが多い
短頭種はマズルが短く潰れているため、気管も狭くなっており、
呼吸器のトラブルが他の犬種に比べて多くなっています。
短頭種に多く発症する呼吸器のトラブルを総称して
「短頭種気道症候群」と呼びます。
代表的な症状はいびきをかいたり、運動を嫌がったり、
興奮時の激しい呼吸などですが、
呼吸困難を引き起こして、失神することもあります。
夏の暑さや肥満が症状を悪化させるので注意が必要です。
他の犬と比べて麻酔のリスクが高い
麻酔はどんな犬にもリスクはありますが、
短頭種は全身麻酔を行うと気道閉塞に陥りやすいため、
一層注意が必要とされます。
飛行機搭乗に制限がある
短頭種は、飛行機搭乗に制限があることがあります。
理由は
- 夏の暑さに弱いこと
- 興奮することで呼吸にトラブルが出やすいこと
などがあげられます。
預かり中止期間や、預かり中止犬種などは
航空会社により異なりますので注意しましょう。
まとめ
とってもかわいい短頭種のわんちゃんですが、
飼育の際には様々な注意点があることが分かりましたね。
健康に長生きしてもらうためにも、健康リスクを理解し、
しっかりとしたケアを心がけるようにしましょう。
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