犬の「膝蓋骨脱臼」を悪化させないための4つの方法

situgaikotu犬の膝蓋骨脱臼、別名「パテラ」
足の関節の病気ですが、
近年小型犬に多く見られます。

愛犬が元気に走っていたと思ったら
急に痛みで鳴き出し、よく見ると足が
プラプラと外れたようになっていた…
そんな光景、飼い主さんはびっくりしてしまいますよね!

“わんちゃんは走ることが大好きなので、
また元気に走らせてあげたい。”

それが飼い主さんの願いだと思います。

膝蓋骨脱臼と診断されてから、悪化させないために出来ることをしてあげましょう。

犬の膝蓋骨脱臼を悪化させない4つの方法

  1. 関節に負担のかからない環境を作る
  2. 興奮してジャンプなどをさせないようにする
  3. 適度な運動を行い筋肉をつける
  4. 食事に一工夫をする

関節に負担のかからない環境を作る

愛犬が膝蓋骨脱臼と診断されたら、まずは関節に負担をかけない
飼育環境作りを行いましょう。

つるつる滑るフローリングは、最も犬の足に負担をかけやすい材質ですので、
カーペットにしたり、フロアマットを敷き詰めたりします。

カーペットを敷きにくい環境の場合は、ペット用の滑り止めワックスもありますので、
ご自宅に合った方法を選んでみてください。

ちょっとした段差も足を引っかけたりすると負担になります。
例えばトイレトレーの段差など、日常的にちょっとした段差はあります。
トレーを外し、滑り止めでシーツを固定するなど出来るだけ工夫をして段差を減らしましょう。

ケージの柵や網などに足を引っかけてしまい、脱臼してしまうこともあるので
基本的には“フラットな環境”を目指しましょう。

ソファーや椅子に飛び乗るような子の場合は乗せないようにしましょう。
ただし、そういった行動が癖になっている場合、直すには時間がかかります。
トレーニングが難しい場合は登れるようなスロープを付けて
“ジャンプをさせない環境”を作ってあげてください。

興奮してジャンプなどをさせないようにする

興奮してジャンプをしたり人に飛びついたりする行為も関節にはNGです。

こちらはトレーニングを行う必要があります。

リードをつけて、飛びつかないように短く、持ちジャンプを防ぎます。

ジャンプをしてしまった時は無視、オスワリをしている時にだけ
構ってあげるなど、“ジャンプ以外の行動の時に良いことがある”
教えてあげることが必要です。

適度な運動を行い筋肉をつける

常に走り続けるなど、激しい運動はNGですが、
適度な運動は筋肉をつけることに繋がります。

特に子犬の時に膝蓋骨脱臼が判明した場合は、筋肉が未発達なため
成長して筋肉が付くことで、脱臼を抑えられる場合があります。

毎日のお散歩はしっかり行いましょう。

犬用のプール設備は全国的にまだ少ないですが、
プールでの運動は関節に負担をかけずに
筋肉をつけることができますのでおすすめです。

食事に一工夫をする

食事にグルコサミンやコンドロイチンなどを含む
関節用のサプリメントを加えてあげるのも一つの方法です。

続いては「犬の膝蓋骨脱臼」とはどういった病気なのかについてお話していきます。

犬の膝蓋骨脱臼とは

「膝蓋骨」とは人で言ういわゆる膝のお皿のことです。

膝蓋骨は膝を伸び縮みさせる時に、関節をスムーズに動かす働きがあります。

「膝蓋骨脱臼」とはこの膝蓋骨が大腿骨の溝より内側、
または外側に外れてしまった状態をいいます。
内側に外れる内方脱臼は小型犬に多く、
外側に外れる外方脱臼は大型犬によく見られます。

犬の膝蓋骨脱臼になる原因

  1. 生まれつきの先天性
  2. 外傷性の後天性

膝蓋骨脱臼は先天性と後天性があります。

先天性は、生まれつき大腿骨の溝に異常が見られたり、
関節の構造上の異常が見られます。

小型犬に多く見られるのは、この先天性の膝蓋骨脱臼で、
遺伝が関係していると言われます。

後天性は、膝蓋骨に無理な圧力が加わったことによる外傷が原因で発症します。
例えばフローリングで滑ったり、落下などが原因となることがあります。

犬の膝蓋骨脱臼の症状

  • 脱臼による歩行困難・運動障害
  • 膝の腫れや痛み
  • 足を引きずる

先天性脱臼の場合は脱臼をしても、その後は元に戻り歩く様になりますが、
両足が脱臼すれば歩行困難になります。

先天性で習慣的に脱臼を繰り返していると、足が湾曲していきます。
外部から膝蓋骨を正しい位置にハメ直せば元に戻り歩行可能となりますが
何度も繰り返していると運動障害が見られます。

後天性脱臼の場合は症状が突発的で膝の腫れや激しい痛みがあり、
足を引きずることがあります。

犬の膝蓋骨脱臼のグレード

膝蓋骨脱臼は症状によってグレード1~4まで分かれており、
無症状の物から歩行困難になる子まで様々な症状が見られます。

脱臼を起こし病院に行くとどのグレードか診断をされ、
その後治療の方針が決定されます。

低グレードの場合は痛みもなく、ほとんどの場合は経過観察で、
脱臼部分を指で押し込めば元に戻すことができます。

高グレードでは膝蓋骨が常に脱臼している状態になり、歩行困難となる場合があります。
この状態では自然回復は出来ないため、外科手術やレーザー治療などが必要になります。

まとめ

シニアになると関節炎など他の関節トラブルも多くなりますが、
膝蓋骨脱臼と診断されている子は、グレードも悪化しやすいので
先のことを考えて生活環境の改善はとても重要となります。

飼い主さんのできる最大限のサポートをしてあげましょう!