毛づくろいは、猫を飼っていると日常的に見られる行動です。
毛づくろいをすると毛を飲み込むのですが、この毛が体内にとどまってしまうと「毛球症(もうきゅうしょう)」という症状になってしまいます。
「毛球症」は一体どんな病気なのでしょうか。
猫の「毛球症」とは?
猫は毛づくろいをすることにより、自分の毛を体内に取り込んでしまいます。
この時体内に溜まった毛の塊を「ヘアボール」と言い、
通常は吐き出されるか、便と一緒に排泄されます。
ヘアボールを吐き出すこと自体は、個体差はありますが
どんな猫にも見られ、特に換毛期など抜け毛が多い時期は、
ヘアボールを吐き出す猫が多く見られます。
しかし、ヘアボールが消化器官に溜まり、
「吐くことも、便と一緒に排泄することも出来ない状態」を「毛球症」と言います。
毛球症は長毛種の猫や、内臓の働きが弱くなる高齢の猫が
なりやすいと言われます。
猫の「毛球症」の症状は?
- 便秘
- 吐きたくても吐けない
- 食欲不振
- お腹を触ると痛がる
ヘアボールが腸に留まることにより、
便秘や吐きたくても吐けない状態になります。
長期に続くと腸閉塞などの重篤な症状に繋がることもあります。
猫の「毛球症」の原因は?
- ブラッシング不足
- ストレス
- 皮膚病など他の病気
ブラッシングが不足すると飲み込む毛の量が多くなったり、
ストレスで、毛づくろいの回数が増えると
体内にヘアボールが溜まりやすくなります。
また皮膚の病気になると、痒みなどから毛づくろいの頻度が上がるため、
毛球症になることがあります。
猫の「毛球症」の治療
- 毛球除去剤
- 外科手術
- 皮膚病など他の病気の治療
まずはペースト状の毛球除去剤を舐めさせ、腸の滑りをよくすることにより
ヘアボールを出来るだけ早く体外に出すようにします。
毛球除去剤で除去できない量のヘアボールや、
腸閉塞を起こしそうな場合は外科手術をすることもあります。
皮膚病で毛を異常に舐めてしまう場合は、
病気の治療を行います。
猫の「毛球症」の予防方法
- ブラッシング
- ストレスの改善
- ヘアボール対応食を与える
最も有効な予防方法はブラッシングをしっかり行い、
毛づくろいで体内に入る毛を少なくすることです。
特に抜け毛が増える換毛期は念入りに行うようにします。
ストレスが原因で毛づくろいをたくさん行ってしまうような場合は、
ストレスの原因となっている物事を見つけて、改善するようにしましょう。
猫にとって落ち着ける場所(高さのあるキャットタワー)などを設置することは
ストレスの解消に繋がります。
ヘアボール対応食に切り替えることも良い方法です。
ヘアボール対応食は食物繊維が多く配合されている物が多いようです。
腸の働きをよくするサプリメントを食事に加える方法も良いでしょう。
まとめ
毛球症の予防として有効な方法の一つはブラッシングです。
ブラッシングをすることで、ヘアボールがお腹に溜まることを予防できますし、
吐き戻し自体を減らすことにも繋がります。
ブラッシングは無理矢理行うと、猫にとって「苦手なこと」になってしまうので、
初めは猫がリラックスしている時に短時間で行うようにしましょう。
上手にブラッシングできると、猫にとってブラッシングは「好きなこと」になります。
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